新日本プロレス16日の後楽園ホール大会で石森太二(39)、エル・ファンタズモ(35)組が田口隆祐(42)、マスター・ワト(24)から勝利を収めたものの、IWGPジュニアタッグ王座(現王者はロビー・イーグルス、タイガーマスク組)取りに暗雲が垂れ込めた。

 石森組は20日札幌大会で行われる4WAY王座戦で王座返り咲きを狙う。当初は通常の王座戦で挑戦が決まっていたところ、シリーズ中に田口組とエル・デスペラード、金丸義信組が挑戦表明したため急きょ4WAY戦に変更となった。

 この日の後楽園大会では田口組と挑戦者同士のタッグ戦に出場。絶妙な連係で試合の主導権を握ると、石森が田口を羽交い絞めにしてファンタズモにサドンデス(右足のでスーパーキック)を求める。ところがファンタズモはこの絶好のチャンスに必殺技を繰り出すことなく、逆に田口組の反撃を許す展開に。最後は石森が田口をBоne Lоck(変型クロスフェース)でギブアップを奪ったが、しこりの残る内容となった。

 サドンデスの異様な威力でジュニア戦線を席巻したファンタズモは、1月東京ドーム大会での王座戦中に右足の靴のなかから鉛のようなものが発見され失格処分となった。「疑惑」が暴かれて以降のファンタズモはサドンデスを放つことにちゅうちょしている。

 バックステージで石森が「使えるチャンスはあったのに、今日もスーパーキックを使わなかったよな? ナンバーワン・スーパーキックだっていうのに! プリーズ!」と問い詰めても、ファンタズモは首を横にふるばかり。「ジュニアのナンバーワンはお前だよ。お前がいるんだから、もう俺のキックに頼らなくてもいいだろ。お前はジュニアのナンバーワンだ。ノアとニュージャパンジュニアのレジェンドだよ。お前一人で十分だ」と言い残し控室へ消えた。ジュニアの名コンビは、果たして札幌決戦までに不安要素を払拭できるのか。