全日本プロレスの野村直矢(28)が16日の後楽園ホール大会で所属ラストマッチに臨み、元パートナーの青柳優馬の前に散った。
野村は昨年2月から頸椎椎間板ヘルニアで欠場。今もその症状に悩まされているといい「完全に治るものではないので…。ただ、初めの頃よりはだいぶ良くなりました。当初は左手にまったく力が入らなかったけど、今は力が入る。日によって握力は変わりますが」と明かす。それでも退団を前にかつての盟友・青柳と一騎打ちの臨む理由を「もう今のお客さんの中には自分を知らない人も多いと思います。でも、まだ変わらず応援して下さる方もいて。そういう皆さんに、けじめとして最後に全力で戦う姿を見てほしいので」と話した。
この試合を最後に、再びリングから遠ざかるつもりだ。それでも〝引退〟の2文字を使わなかったのは「そう言ってしまうともう戻れなくなってしまう。今後はいろんなことに挑戦しながら、首がもっと良くなって、『またリングに上がりたい』という気持ちになったら上がりたいです」と将来の復帰を視野に入れている。
そんな思いを胸に臨んだ〝ラストマッチ〟は激しいものとなった。自らの欠場期間中、大きく成長し存在感を増した後輩に苦戦しながらも必死に食らいつき、恵まれた体格でぶち当たる。投げっ放しジャーマンを受けるも雄たけびを上げて立ち上がり、得意のスピアーで吹っ飛ばした。
しかし1年10か月の間に開いた〝差〟は大きかった。同じ2014年デビューながら自分より9か月遅く初リングを踏んだ後輩からジャーマン3連発など怒とうの攻めを食らい、最後は必殺のエンドゲーム(変型フロントネックロック)でレフェリーストップ負けを喫した。試合後、野村は「全日本プロレス、僕は約8年間在籍しましたけど、この8年間は一生忘れません。宝物です。スタッフの皆さん、選手の皆さん、応援してくれるファンの皆さん、8年間ありがとうございました」。青柳から「ラストと言ってますけど、ラストではないと僕は信じてますよ。またいつか野村さんが僕らの前に戻ってくることを首を長くして待ってますんで」と言葉を送られると笑顔で握手を交わした。
一方、試合後は青柳が珍しく感情をあらわにした。この日で岩本煌史、ゼウス、野村の3人が所属ラストマッチになったが「今日だけでゼウスさん、岩本さん、野村さんが退団して全日本プロレスからいなくなりました。これどういうことか分かりますか? あんまりいいたくないですけど、3人全日本から抜けるっていうことを会社は重く受け止めた方がいい」。さらにその舌鋒はヒートアップし「マスコミの前であえて言いますよ。偉そうにしてる奴…、スーツ着て偉そうにしてる奴ら、全員そうだ。今日という日を深く心に受け止めて、一生後悔しろ。死ぬまで後悔しやがれ。今日はそれくらい残念な日なんだよ。今日という日を重く受け止めろ」とまくしたてた。
この日、異例の3試合連続ラストマッチ興行を行った全日本。さよならだけが人生だ…とは言うものの、切ない後味になったのは確かだった。












