「プロレス界の二刀流」が世界に羽ばたく――。東京スポーツ新聞社制定「2021年度プロレス大賞」で新人賞に輝いたのは、昨年に東京女子プロレスで本格デビューしたアイドルグループ「SKE48」の荒井優希(23)だ。22年もプロレスとアイドル活動に全力で取り組み、大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手(27)が投打の二刀流で活躍する米国への進出を熱望。プロレスとの恋に落ち“生涯現役”を決意した荒井が、思い描く青写真を激白した。

 ――昨年を振り返って

 荒井 SKE48の時はあまり実感することがなかったんですが、プロレスを始めてから海外からの反応が大きくて。海外にも見てる人がたくさんいるんだなって感じることができました。日本だけじゃなく、いろいろなところに私のことを知ってくれる人が増えたら面白いんじゃないかと思います。

 ――本場は米国だ

 荒井 広い世界を見たいという願望があります。それまで日本が大好きだったので、海外旅行に行きたいとかなかったんです。東京女子プロレスをもっと広めたいし、日本ではもちろん、海外でもそのきっかけになれる選手になりたいです。

 ――今まで海外は

 荒井 ミュージックビデオの撮影で3年前くらいに米国に行きました。人と話すのが好きで、帰ってきてスマホを見たら、知らない人との自撮りがめっちゃ入っていて(笑い)。タピオカ屋さんの店員と友達になって毎日通っていたんですよ。学校で習った、つたない英語でもくみとってくれてお友達になってくれて。そういうのもあって海外っていいなって。英語をしゃべれるようになろうってその時に思ったんですけど…頑張ります!

 ――米国では大谷選手が活躍している

 荒井 私的には二刀流だけど、両方100でやってるから2つを掛け持ちしている感覚はないんです。プロレスをやってる時はアイドルであることは忘れて、アイドルの時はアイドルでやっているので。二刀流って日本人だと「どっちかにした方がいい」と言うじゃないですか。私も最初の方は「いい加減な選択をしてしまったのかな」とちょっと思う時もあったのですが、「大谷選手みたいだね」とめちゃくちゃ救われるたとえをいただいてから、私もできると思って頑張っています。

 ――SKE48の海外公演は

 荒井 せっかくなら両方で行きたいなって。海外の方もSKE48のことを知るきっかけになるかもしれないですし。SKE48を広めたいという気持ちもあるので、両方知ってもらえたらうれしいなと思います。米国で試合とコンサート? 最高です! 二刀流です!

 ――「プロレス愛」も強まっているようだ

 荒井 私はSKE48が9年目なんです。今まで人生で続けられたことってSKE48しかないと思っていたけど、同じくらい夢中になっていて、もっとやりたい、もっとやりたいってなっていて。休みの日とか自分が出ない試合も家で見たりもして、プロレスのことはいつもどこかで思っています。24時間? はい! やばいですね…(笑い)。すごい好き!

 ――もっと好きになりそうだ

 荒井「満足できるまでやっていい」とSKE48の会社から言ってもらっています。最初は1年という話ですごい寂しくて、自分がいないリングは見られないくらい悲しかったけど、こうなったからには自分が満足するのはもちろん、周りが満足して「よく頑張った」と言われるまではしっかり頑張りたい。つらいとか、そういうので辞めない強い意志でやりたいです。最近は「プロレスの方に傾いている」って言われるんですけど、アイドルも同じくらい頑張りたい気持ちです。

【絶賛! 愛の結晶だ!】荒井には東京スポーツ新聞社・国見隆博取締役営業局長からトロフィーと表彰状が授与された。国見局長は「業界の発展、ファン拡大に多大な貢献をされた。必殺のファイナリーを武器に観衆を熱狂させる姿は努力の賜物であり、プロレス愛の結晶」と称賛。神妙な面持ちで表彰状を受け取った荒井は「改めて実感が湧いてきました。新人賞をいただいたということで、2022年ももっと頑張りたいなという気持ちにあふれています」と決意を新たにした。

 ☆あらい・ゆき 1998年5月7日生まれ。京都府出身。2013年のAKB48グループドラフト会議でSKE48のチームKⅡに指名された。17年の選抜総選挙は58位で初のランクインを果たし、18年は28位。AKBグループがドラマを発端に18年2月23日に愛知県体育館で開催した「豆腐プロレス」にバブリー荒井のリングネームで出場。21年5月4日の東京女子・後楽園大会で本格デビューした。必殺技はファイナリー(かかと落とし)。167センチ。