【AEW】ケニー・オメガ「頼まれれば日本のプロレスも救ってあげるよ」

2021年09月26日 06時00分

現在のプロレス界に対する思いを激白したケニー
現在のプロレス界に対する思いを激白したケニー

【ケニー・オメガ インタビュー後編】米国のプロレス団体「AEW」のケニー・オメガ(39)が本紙のインタビューに応じ、現在のプロレス界に対する思いを激白した。CMパンク、ブライアン・ダニエルソンと元WWEスーパースターが続々と合流し、AEWは今や飛ぶ鳥を落とす勢い。同団体の副社長も務めるケニーは、古巣の日本マット界をどう見ているのか――。

 ――AEWには日本人レスラーも登場する

 ケニー 彼らの試合、パフォーマンスを隅々まで確認できてはいないんだけど、AEWに出たことをハッピーに感じてくれていることは伝わってる。AEWのファンにはエネルギーがあるから、いい雰囲気を感じてくれたんじゃないかな。

 ――新日本プロレスをはじめとした日本の団体との関係性について

 ケニー 本当に自分たちはオープンなんだ。俺とヤングバックスが考える一つのゴールは、すべてのプロモーションに対してオープンな場所を提供し、みんなでベストなものをつくり出すということなんだ。実際に俺たちはそういう場所をつくり上げたよね。なぜつくりあげられたかと言うと、俺たちには誰に何を言われても、自分たちの功績やプライドを守れるだけの自信と根拠があった。俺たちが通常やっている1~2万人の会場に、鈴木みのるや小島聡に来てもらう機会もあった。いまAEWに出てもらうことに、何も縛りや障害はないんだ。自分がベストだという自信、ここに上がる自信があるならどんどん出て欲しいと思っているよ。

 ――日本のプロレス界はまだ新型コロナウイルス禍が続き業界が活気を取り戻せていない

 ケニー 俺らにも同じように無観客、無歓声の時代はあった。その状況を通り抜けていまがあるわけで。レスラーには人それぞれ得手不得手があるよね。特にコロナの時期で、一つハッキリしたことがある。無観客や無歓声の状況で試合をしなければならない時期は、例えば会場で花火が使えなかったり、長いあおりVTRが作れなかったり、派手な演出が制限されたりもしたよね。入場時に特殊効果を使ったり、団体側から選手に対して声援を促すようなことができない状況だから、観客の支持を集めるのは全てレスラーの自己責任になったんだ。レスラーは自分だけの力で歓声を集めなければならなくなった。

 ――より個人の力が問われてようになったと

 ケニー だからそこでメッキが剥がれちゃったヤツっているよね。すごいと思われていた選手が、実はそうでもなかったとか。俺は最初から実践できていたけど、自分自身のパフォーマンス、能力だけで観客を引き込むことって実はみんなできてないよ。これを聞いて「何言ってんだ、ふざけんな」って言ってくる人もいるかもしれないけど、実際に今の、AEW以外の試合や大会見たらどう? 盛り上がってないでしょ?

 ――そうした影響もあって業界の勢力図も徐々に変わってきているか

 ケニー 昔はWWEとAEWには大きな差があったんだ。新生ホヤホヤの団体だったからね。それが入れ替わっていることに気付くでしょう? WWEは必死だよ。毎週毎週なんとかしてレジェンドを呼び戻したりしている。もちろんコロナは決して良くないことだし、起こって欲しくないことだったけど、今はそういう作用が働いているよね。

 ――日本の状況はどう見ている

 ケニー 実際に日本の選手も、自分の能力だけでお客さんを何とか引き付けようということが出来てないし、考えようともしていない。いい例を出すと、俺は日本に10年間いた。仮に俺が常に英語で喋って、中澤マイケルに通訳してもらっていたとしよう。そのインタビューでファンは俺の天才的な考え方に感心する。俺は自分のことを天才だと思い込み、ファンからの支持も得られたと安心する。その状態のままずっと英語だけで喋っていて…マイケルが急にプロレスの仕事を辞めていなくなってしまったらどうなる? 

 ――新しい通訳を雇えばいいのではというツッコミは置いといて、困った状況になりますね

 ケニー それって言ってしまえば、自分自身が日本のファンにどう思われるのかを、全部マイケルに委ねているようなものだよね。もしも俺が日本語を覚える努力をしてこなかったら、そういう状況になり得たかもしれない。そうなったら自分は何の用意もできてなかったし、頭を使ってこなかったことになる。

 ――自分自身で発信することの重要性も考えて日本語を学んでいたと

 ケニー もちろん新しい何かを学ぶことに遅すぎるということはないけど、でも、ものすごく遅い時期に来てしまっている。これは誰か一人だけのレスラーの話をしているんじゃないよ。日本の団体にいる多くの選手がそういう努力をできていなかったからね。

 ――厳しい見方だ

 ケニー 楽な状況にいる時には気付けないものなんだ。団体や親会社がおカネや力を使って、いかに選手のために盛り上げる努力や演出をしていたのか。悲しいことに、選手だけではなく、団体側もそういうことを理解できていない。いま何が起きているのかを。俺にはそれが分かってるし、俺一人だけでも救うことができるんだけど…どこかの団体は不思議なことに俺を使おうとしないんだよね。これを聞いて怒ってくれてもいいよ。でも俺のこと間違っていると言える? 俺はもうすでに証明したでしょ。AEWの成功とともに。日本のファンだってまだ忘れていないでしょ? 彼らの中で俺は今でも「ナンバーワン、ガイジン」じゃないか。

 ――もしもオファーがあれば日本の団体に上がる準備があると

 ケニー プロレス界を救うのが俺の仕事だから。米国のプロレスはもうすでに救ったし、もし頼まれれば日本のプロレスも救ってあげるよ。

 ――一方でAEWとして大会を日本でやりたい気持ちは

 ケニー もちろん。英国、カナダ、日本という場所はすでに話題には挙がっている。コロナがなければもっと早い段階でやっていたことだと思うんだけどね。海外という話は俺が入った時から話題に挙がっていたし。最初は両国(国技館)とかでできたらいいなと思っているよ。早く日本に行きたいと常に思ってる。また会える日まで、グッバイ&グッナイ!         

(終わり)

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