【柏原純一「烈眼」】コロナ感染による主力の大量離脱が大きな影を落とし、最下位・中日にも3連敗を喫した阪神はこれで6連敗。深刻なのが、近本、大山、中野らを欠いた打線の貧打ぶりだ。この日はロハスの3ランなど4点を奪ったが、適時打は9日のDeNA戦以来、52イニングなしと重症だ。
とはいえ、試合は待ってくれない。16日からは首位・ヤクルト3連戦を控えており、負け越すようであれば、逆転Vが確率的にも相当、厳しくなる。「打てないなかで、少ない好機をどうモノにするか」を考えるのは急務だ。その観点では順位は阪神が「上」と言えど、このカードでの立浪ドラゴンズの点の取り方を参考にすべきかと感じる。
失礼ながら、現在の中日も打線に厚みや一発警戒の打者が続く怖さはない。ただ、阪神と違ったのが、点を取るための明確な意思統一だ。
無死から先頭が出塁すれば、手堅く犠打で二塁へ。アウト1つを引き換えにしても得点圏に走者を進め、単打1本で、1点を取りにいく野球。相手よりも地力で劣ることを自覚するからこそ、取り入れる〝弱者〟の戦法だ。
この日で言えば、中日が8番・土田の安打から投手の犠打、1番・岡林の適時打で先制した3回だ。その後、再び一死二塁とすると、後藤の中飛で二走を三塁へと進め、続く阿部の適時打でさらにもう1点。派手な長打がないかわりに無駄なアウトもない。地味ながらもこの堅実な策こそ、飛車角抜きの今の虎打線が目指すべきスタイルだろう。
この日の阪神は3回まで毎回、走者を出しながら3併殺と、ことごとくチャンスを潰した。ただでさえ得点能力に乏しい現状で、各打者の力量任せの〝出たとこ勝負〟ではやはり限界もある。
10日から1番に入った島田はこの日も複数安打を放つなど、数少ない好調な打者の1人で15盗塁と足もある。彼の出塁から確実に1点を取りにいく野球を期待したい。
リーグトップのチーム防御率2・55を誇る投手陣は先発・中継ぎともに、ある程度、計算もできる。ならば、なおさらロースコアの僅差で勝機を見いだすべき。ベストの布陣を組めない不運をぼやいていても仕方ない。今の打線に求められるのは全員でつないで取る1点の積み重ね。泥臭い野球で何とか首位・ヤクルトに食い下がってもらいたい。(野球評論家)












