大リーグ、パドレス3Aエルパソを退団し日本球界復帰を決断していた秋山翔吾外野手(34)が27日までに広島への入団を決断したことが濃厚となっている。当該球団から27日にも発表される。

 3年ぶりのNPB復帰のため20日に帰国していた秋山は22日に古巣の西武、23日にソフトバンク、24日に広島といずれも都内で立て続けに交渉を行っていた。

 関係者が「慎重かつ迅速に」と言っていたように、新型コロナの隔離明け後、日本時間16日の3A戦を最後に実戦から遠ざかっていた秋山がこだわっていたのが「試合勘の取り戻し」だった。

 都内で体を動かしながら、3球団と1回ずつの交渉を行い、その条件面とメジャーでの夢が敗れて帰国した自身が次に身を置くべき環境を熟考した上での決断となったようだ。

 4月のレッズ退団後から渡辺GMとのホットラインを使って常に連絡を取り合い、交渉にもいの一番に乗り出していた西武の誠意はもちろん本人にも伝わっていた。

 栗原、上林の故障離脱と長引く柳田の不振で外野手補強が急務だったソフトバンクは秋山本人との人脈がない分、西武、広島の2球団を大幅に上回る条件を提示し逆転を狙った。

 しかし、最終的な決め手となったのは広島の交渉役となっていた鈴木清明球団本部長(68)の誠意ある正面突破だった。

「来てもらいたい。プレーヤーとしては申し分ない。(過去に)選手会の発言などを聞き、個人的にも興味があった。自分が正しいと思うことをはっきりと言える人間。彼の加入は、カープの将来にとって大きな財産になる」。秋山翔吾というプレーヤーを高く評価してくれた上で、その人間性やリーダーとしての資質までを心から必要としてくれた嘘のない交渉が、本人の心の琴線に触れた結果だったようだ。