名古屋で「ホームランテラス待望論」が再燃している。中日OBや関係者の間から「石川昂、鵜飼らを長距離砲に育てるためにも早くバンテリンドームに導入したほうがいい」という声が強くなっているのだ。

 こうした声が出てきたのは、先週の神宮球場でのヤクルト3連戦で石川昂が2本塁打を記録したから。石川昂は5日にプロ初アーチを放つと7日にも2号ソロをレフトスタンドに叩き込み「しっかり振り抜くことができました」と手応えをつかんだ。

 ナゴヤ球場時代をよく知るOBの一人は「ホームランが出れば気持ちも楽になって次につながる。だから神宮や東京ドームをホームにしているチームでは(ヤクルト・村上や巨人・岡本和ら)一発を打てる選手が出てくる。ナゴヤ球場のころと違ってバンテリンドームのサイズではなかなかホームランバッターは育たない」と指摘。またチーム事情に詳しい関係者も「ヤクルトの山田も、以前に『ナゴヤドームではホームランが出る気がしない』と言っていたそうだ。あの山田がそこまでいう球場だから(本塁打は)出にくいし、やっぱり考えたほうがいい」とホームランテラス導入を訴える。

 13日の阪神戦では延長10回、大島の殊勲打で10のサヨナラ勝ちした中日だが、ここまでビジター6試合で9本塁打なのに対して、ホームでは8試合で3本塁打とピッチャーズパークなのは相変わらず。バンテリンドームも一時はホームランテラス導入に動きそうな気配はあったが、新型コロナ禍の影響もあって立ち消えとなっており、中日内部からは「(ホームランテラス導入に向けて)世論を盛り上げていったほうがいい」との声も出ている。