【広瀬真徳 球界こぼれ話】今年もプロ野球が開幕した。コロナ禍でのシーズンは3度目となるが、今季は過去2年とは違い開幕から球場来場者の人数制限が撤廃されたこともあってどの球場も大にぎわい。先週末の楽天の本拠地(楽天生命パーク宮城)も連日大勢の観客が詰めかけていた。やはりプロ野球は大観衆がいて盛り上がるもの。今年こそは熱気ある光景がシーズンを通して続くことを祈るばかりである。

 そんな日常の光景が戻りつつある2022年シーズン。パ・リーグはどのチームが躍進を遂げるのか。「混パ」を承知で1チーム挙げるとすればやはり楽天の逆襲が気になる。

 今春キャンプからパ・リーグの話題を独占したのはビッグボス率いる日本ハムだったが、楽天はその陰に隠れるように着々と戦力を整えてきた感がある。開幕投手を務めた則本を筆頭に田中将、岸、早川、滝中らを要する先発ローテーションは豪華そのもの。救援陣も守護神・松井裕を中心にブセニッツ、安楽、弓削、西口ら中堅、若手がそろう。ここに現在出遅れている2年前の最多勝投手・涌井らが加わればリーグ屈指の投手陣になる。他球団は脅威だろう。

 得点力が課題だった攻撃陣も西川の加入により厚みが増した。プロ9年目で覚醒の予感を漂わせる和田やルーキー捕手・安田も急成長を遂げている。新外国人選手2人(マルモレホス、ギッテンス)も二軍での調整を経て、間もなく一軍に合流予定。故障からの復帰を目指す辰己や太田らを含めた野手のレギュラー争いは激化の一途をたどる。投打の戦力を見れば昨季以上の順位(3位)は濃厚で、よほどのことがなければ優勝争いに加わるはずだ。

 唯一の不安はシーズン終盤の戦い。昨季も序盤は首位争いを演じながらも夏場を境に後退。最終的に3位に食い込んだものの8年ぶりのリーグ優勝を逃した。ただ、石井監督も指揮官2年目。「ペナントレースで優勝争い、主役というのは譲りたくない」とチームスローガンである「譲らない!」という言葉通り覇権奪還に意欲を燃やす。今春キャンプから各ポジションの底上げを図ったのも長いシーズンを見据えてのこと。油断はない。

 開幕カードは昨季9勝15敗1分と大きく負け越したロッテと1勝1敗だったが総合力では引けを取らない。今季こそ頂点に立てるか。今後の戦いに注目したい。

 ☆ひろせ・まさのり 1973年愛知県名古屋市生まれ。大学在学中からスポーツ紙通信員として英国でサッカー・プレミアリーグ、格闘技を取材。卒業後、夕刊紙、一般紙記者として2001年から07年まで米国に在住。メジャーリーグを中心にゴルフ、格闘技、オリンピックを取材。08年に帰国後は主にプロ野球取材に従事。17年からフリーライターとして活動。