歓喜のVだ。ヤクルトが26日、DeNA戦(横浜)で5―1と勝利し、6年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた。この日、2位の阪神が敗れ、マジック2としていたチームは今季141試合目にしてリーグの頂点に達した。

 敵地のグラウンドで5度、宙を舞った高津臣吾監督(52)は安どの表情とともに思わず号泣した。優勝インタビューでは「開幕してからここまでいろんなことがあって今、ホッとした気分。選手たちが一生懸命頑張ってくれた成果です」と目を潤ませながらコメント。この日、阪神の結果を待つ形での胴上げとなったことには「まず最初にわれわれが勝つことが一番だと思っていた。確かにタイガースの勝敗が気になったが、その前に今年を象徴するような打線のつなぎと、いいピッチャーのつなぎといい形で終えられたのが良かったと思う」とも述べた。

 絶対に今日で決める――。そんなチームの面々の思いが結実するかのように燕の猛者たちは、この日の〝メモリアルゲーム〟も序盤から一気に畳みかけた。1―1の同点で迎えた3回だ。一死満塁からサンタナ、中村と連続適時二塁打が火を噴くなど打者10人の猛攻で一挙4得点。試合の主導権を完全に握った。

 投手リレーも万全を期した。高津監督は先発マウンドに立った高梨を早々とベンチに下げ、5回には石山、田口を出し惜しみすることなく投入。さらに6回からは2イニングを高橋が今季初リリーフし、その後もセットアッパー・清水、燕の守護神・マクガフがバトンを引き継ぎ、鉄壁ブルペン陣で見事に締めくくった。

 指揮官の言葉通り、今季後半戦で勢いを加速させたスワローズの強さを象徴するかのような戦いぶりを大事な一戦でもしっかりと見せつけた。

「よく打線が注目されるんですけど、本当に先発投手から投手力というのがすごくアップしたのが、今年勝てた要因かなと思う。もちろんチーム一丸となって打線もつないでいく、投手もつないでいくという『つなぎの野球』というのがしっかりできたのかなと思う」とも高津監督は振り返った。

 全員一丸の「チームスワローズ」を唱える高津監督のカラーが浸透し、前年最下位だった燕軍団がセの王者となった。