福留が明かした阪神のクビ通告「8年間やって、話はたった10分…」師匠は「見返せ」とエール

2020年11月02日 05時15分

師匠・佐々木恭介氏は福留にエールを送った

 球団から来季の構想外を伝えられ、今季限りで阪神を退団する福留孝介外野手(43)に猛ゲキが届いた。声の主は中日時代に指導を仰ぎ、2002年に首位打者を獲得するなど、福留が打撃の師と慕う佐々木恭介氏(70)。先日、球団から戦力外を伝えられた福留は、すぐに氏に連絡を入れたという。近鉄監督時代には福留をドラフトで引き当てながら入団拒否されるなど、何かと縁のある〝師匠〟は「現役続行? もちろんや! 阪神を見返すつもりで、今年の悔しさを晴らせ!」と愛弟子にエールを送った。

 日米通算でプロ22年目を終えようとしていた福留は、ファームの試合がなかった先月19日、球団から呼び出しを受けて、来季の構想外を伝えられている。恩師の佐々木氏のもとには、その日のうちに連絡があった。

「孝介から電話が来て『球団から呼ばれて、今シーズン限りでって言われました』と。『8年間やって、たった10分で話が終わりました』って。本人は笑ってたけど、内心は悔しかったはず」と〝クビ〟を宣告された愛弟子の胸中を思いやった。

 一方で、別の感情もこみあげてきたという。2013年にメジャーから日本球界に復帰する形で阪神に入団した福留は確かに、生え抜きではない「外様」出身だが、近年のチームの屋台骨を担ったことには変わりはない。そんな功労者に、あまりにも球団の対応はドライすぎるのでは? という思いだ。

「去年も鳥谷の騒動があって結局、退団したけど、もうちょっと気持ちよく、ユニホームを脱ぐことができないものかと。孝介もこのままなら、一軍に上がることなく終わる。甲子園のファンに阪神の選手として、最後の姿を見せることもかなわないの? と。ちょっと、冷たすぎる」

 それでも、こうなった以上は「現役を何としても続け、まだまだやれることを見せてほしい。あいつは、恨み節は一切言わないタイプだけど、そのぶん、内に秘めた悔しさをバネにして、これまでもやってきた。これからは阪神を見返すつもりで」と改めて奮起を促した。

 もちろん佐々木氏は「あいつも分かっているハズ」と今季、出場43試合で打率1割5分4厘、1本塁打、12打点の大不振に終わった原因はすでに突き詰めている。

「もう何年も前からだけど、孝介はシーズンで結果を出すため『手順』を何よりも大事にしてきた。『いつから?』と言えば『前年シーズン最終戦の翌日から』と言っていい。それほど綿密にやっている。最終戦翌日から数日間の断食をして、体の毒素をすべてきれいにして、そこからオフ→自主トレ→キャンプ→オープン戦とすべてに段階を踏んで、自分のコンディションを作り上げてシーズンでコンスタントに働けるように仕上げてきた。今年はそれがコロナ禍で狂ってしまった」

 それだけに氏は「本人は言い訳になるから口にしないだろうけど…」と代弁したい思いもある。

「本人が『まだ燃え尽きてない』と話すのはこのあたり。仮に来年も今年と同じように、コロナ禍で調整のタイミングが不透明になったとしても、今度は必ず適応すると思うし、そのために何をすべきかを考えることができる男だから。同じ失敗を二度繰り返す男ではないからこそ、もう一度、勝負させてあげたい。ダメなら、本人も納得してユニホームを脱ぐはず」

 福留はすでに「新天地」を探すことを表明している。そんな愛弟子に最後にこうエールを送った。

「これまであいつには『イチローより先に辞めるな』って言ってきたけど、イチローは46歳まで現役を続けたわけだから。お前も負けずに、その年齢まで頑張れ! と言いたい。まだ燃え尽きていない気持ちの〝残り火〟を必ず燃やし切ってほしい。できることがあれば、僕も喜んで手伝いたい」

 仮に来季、福留がプロ通算23年目を迎えることができれば、4月に44歳を迎えることになる。見事、その新天地で鮮やかに〝復活〟を遂げることができれば、45歳のシーズンも必然、近づいてくるはず…。恩師のゲキは、再起を期す球界最年長にとっても、何より心強い後押しになるはずだ。