阪神球団社長〝引責〟辞任ショック! 専門家から「もう少し選手処分の情報を明かすべき」の声

2020年10月10日 06時16分

辞任を発表した阪神・揚塩球団社長(代表撮影)

 阪神に激震が走った。9日に揚塩健治球団社長(59)が西宮市内の球団事務所で会見し、先月25日以降、チーム内規に違反した行動をした選手・関係者らがチーム内で新型コロナウイルスに集団感染した件の責任を取り、球団社長を辞任することを発表した。後任は未定のため、今シーズン中は社長職の責務をまっとうする予定だが、任期は11月末日限りとなる。


 コロナ禍だけでも規律違反を含む、現場ナインが起こした〝不祥事〟はこれで2度目。球団を束ねる組織の長として、責任を取らされたと見るのが自然だ。会見で揚塩社長は「3月に続いて、今回、二度にわたって球界全体にご迷惑をかけた事実は否めません。いろいろな混乱を招いた球団内の最終的な責任者は私。今シーズン終了をもって、社長を辞することを申し入れ、承諾を頂きました」と、頭を下げた。

 阪神では3月に藤浪晋太郎投手(26)ら3選手が、球界で初めて新型コロナウイルスに感染。知人宅に10人以上で会食した宴席が感染経路として疑われた。当時、世間では外出自粛を呼びかけられていた真っ最中。この時、会見で対応に当たった揚塩社長は「今思えばもう少し厳しく、外出禁止というような形で臨んだほうがよかったかなという反省があります」と、球団のコロナ対応の認識に〝甘さ〟があったことも陳謝していた。

 ところが、だ。9月25日には、新たに球界最年長のベテラン・福留孝介外野手(43)や主将・糸原健斗内野手(28)ら5選手とスタッフ2人の合計7人が集団感染。球団が感染経路を調査した際、これらの選手が参加していた2件の会食で「人数制限」や「同一ポジション禁止」など、球団が独自に定めた「外食ルール」に抵触する内規違反が発覚した。揚塩社長が辞任理由を「コロナに感染したから…という理由だけじゃない」としたように3月以降、相次いだナインのモラルの〝欠陥〟が改めて浮き彫りになり、球団の管理責任が問われる事態に発展していた。

 シーズン中では異例ともいえる球団社長の辞任表明。この日のうちに現場にも報告され、矢野燿大監督(51)も「申し訳ない気持ちと、残念な思いもあるし、複雑な気持ち…」と、沈痛な胸のうちを明かした。阪神電鉄本社の藤原崇起球団オーナー(68)も対応し「ひとり一人がチームの中で、どういう役割をするか。こういう自覚をしっかりと持ち直す必要がある。それを再確認してもらうように、強く要請したい」と改めて再発防止を取り組む意向を表明し、親会社、球団のトップそれぞれが頭を下げ責任の所在も明確にした。

 一方で、今回の阪神の一連の騒動と対応を世間の識者はどう見たのか。横浜国立大非常勤講師(危機管理学)で「失敗学会」理事の宇於崎裕美氏は「二度も似たような騒動を起こしてしまった以上、モラルの低さは指摘されても仕方がないが『なぜ二度も?』は検証する必要がある」と提言。阪神ファン歴40年を超える熱心な虎党でもある関西大学・社会安全学部でリスクマネジメント論が専門の亀井克之教授は、選手への処分内容について「もう少し、情報を明らかにすべき。社会奉仕活動や医療従事者への寄付なり、わかりやすい形で示すべき」と言及した。

 いずれにせよ、今回の集団感染で「離脱→復帰」の過程をたどった選手たちは、残り試合で〝相当に〟襟を正した姿で戦わない限り、ファンからさらに厳しい声が飛ぶこともありそうだ。