ソフトバンクにとっては、厳しい夏の戦いが待ち受けることになりそうだ。20日、今宮健太内野手が出場選手登録を外れたからだ。

 この日のロッテ戦(ZOZOマリン)前に取材対応した工藤監督は理由について「(左)ふくらはぎの違和感。トレーナーによると筋損傷の疑いがあると。出場は不可能ということだったので抹消した」と語った。チームトレーナーの見立てでも早期回復は難しいと判断した。

 今宮は今季、右肩などに不調を抱え、その状態を見ながら、ここまで43試合に出場して打率2割6分8厘、6本塁打、22打点。19日のロッテ戦では、初回に先制ソロを放っていた。プロ11年目で内野の要。チームは勝負どころの夏に攻守にわたっての精神的支柱を欠くことになったのだ。

 今宮は先輩に対しても歯に衣着せぬ物言いで、引き締め役を買って出るタイプ。近年は打撃の成長も著しい中で、体調問題でシーズンをフルに戦えないジレンマを抱えながらの戦いが続いてきたが、そんな制限のある中でも出場すれば勝負の機微を心得たプレーと立ち居振る舞いでけん引。それだけにチームの総合力を考えた上で、大きな戦力ダウンは否めない。

 平石打撃兼野手総合コーチは「やっぱりショートというところで健太の存在は大きかったので、抜けるのは痛い。一日も早く良くなってくれることを祈るしかない」とショックは尋常ではない。

 そんな中でのロッテ戦は、復調気配漂う松田宣が今カード2発目となる4号先制弾を放って主導権を握った。7回に2番手・松本が中村奨と安田に一発を浴びて2―2の同点となったが、延長10回に栗原の右前打で2点勝ち越し。しかしその裏、5番手の泉がマーティンに同点2ランを被弾。6番手・嘉弥真、7番手の椎野も踏ん張れず最後は暴投でサヨナラ負け。ロッテに同率首位に並ばれた。

 V奪回を目指すホークスに訪れた紛れもないピンチ。ポスト今宮となり得る若手の奮起はもちろん、チーム一丸で乗り越えるしかない。