プロ野球揺らぐ6・19開幕 東京アラート発令で再延期の不安

2020年06月03日 13時21分

ソーシャルディスタンスで審判団と会話する日本ハム・栗山監督(中)

 プロ野球は“無風”でいられるのか。東京都が2日に都内で新たに34人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。1日の感染確認が30人以上となったのは先月14日以来、19日ぶり。福岡・北九州市でも感染が拡大しており、コロナ第2波の懸念により、6月19日に開幕することが決まったセ・パ両リーグ公式戦が「再延期」となってしまう可能性はあるのか。球界に危機感が広がっている。

 東京都の小池百合子知事は2日の都議会で、この日の都内感染者数が34人となったことを受け「ほかのモニタリング指標もこの数日、厳しくなっている。『東京アラート』を発することも含めて専門家の意見も踏まえて早急に検討していく」と発言。夜になって東京アラートが発令された。

 同知事は「現在のステップを直ちに変更するものではない」と念押ししているものの、こうした新型コロナウイルスの不気味な兆候にプロ野球界も“戦々恐々”となっている。この日の東京の感染者のうち15人が小金井市の「武蔵野中央病院」で発生した院内クラスターによるものとみられており「34人の半数近くが市中感染ではない」としてやや楽観する向きもあるが、北九州市でも感染拡大の予兆はみられており油断は禁物。だからこそ球界関係者の多くは最悪の流れを頭に描き始めているようだ。

 その一人は「またあらためて緊急事態宣言が出されるか、それとも東京がロックダウンされない限りは基本的に何が何でも開幕することになるはず」と強調しながら、このまま想定外の事態へと傾いてしまう“悪夢のシナリオ”についても言及した。

「『東京アラート』が発令されたが、その効果も表れなかった時にはいよいよ楽観もできなくなる。東京だけ再び自粛要請が出され、プロスポーツの無観客開催も例外ではないと判断されたら、これはもうどうにもならない。セは3カードともに首都圏開幕を決めている。パも西武と日本ハムのカードは東京近郊・所沢のメットライフで組まれている。強行することなどできないし、再延期の道を選ぶしかなくなるのではないか」

 それだけではない。何とか平穏無事に「6・19」の開幕を迎えられたとしても、その後の観客を入れてのスタンド解禁が大幅にずれ込むことを懸念する声も出ている。

 球界内には「政府の『基本的対処方針』には野球などのイベントが7月10日にも上限5000人まで緩和されるとされ、NPBもそのプロセスを踏襲したいつもりだが…。感染再拡大の兆候がみられれば今後、国もしくは都側は有観客試合の設定見直しへと動くかもしれない」との見方も急浮上しているという。

 労組日本プロ野球選手会の強い反発も気になるところ。1日には選手会と球団側との事務折衝がオンライン上で行われたが、新型コロナウイルスによる今季の特例措置を容認するか否かについて、出場登録日数の扱いなどで隔たりがあることから“あつれき”が生じている。

 別の関係者は「それに加えて感染予防のためのガイドラインに関し、選手会側からNPBへ補足を促す指摘もあった。実際に『コロナ感染のリスクがまだあるにもかかわらず開幕して本当に大丈夫なのか』と不安がっている選手もいる。東京や北九州でのコロナショック再発によって、こういうトーンが次第に選手会の総意へと転じていくようなことになったら開幕は“危険信号”になるだろう」と口にした。

 くしくも、2日からプロ野球は練習試合をスタート。開幕へ向けて12球団がかじを切ったが、まだまだ19日を迎えるまで予断を許さない状況と言えそうだ。