広島のドラフト1位・森下暢仁投手(22=明大)がマイペースの誓いを立てている。8日から広島・廿日市市内の大野練習場で新人合同自主トレがスタート。同期のルーキーたちとともにキャッチボールやウエートトレで汗を流した右腕は「みんなと楽しくできた。一軍の舞台で早く野球がやりたい。そこにたどり着けるように地道にやっていきたい」と気持ちを新たにした。

 あくまで自己流調整を貫くつもりだ。即戦力として期待されるだけにキャンプインの2月1日にはブルペン入りするのかと思いきや「そこまでは考えていない。自分のタイミングで入れればいい」とキッパリ。もともと「ブルペンで思い切りガンガン投げるタイプではない」といい、自主トレ期間中の投球練習の予定も白紙だという。

 広島では背番号18の先輩である前田健太投手(31=現ドジャース)が少ない投げ込み量で調整していたが、チーム内からも「自分で考えていることはいい心掛け。(新人王を獲得した)野村や大瀬良も自分のペースを守ったことが1年目の結果につながった」(チーム関係者)と賛辞が上がった。その一方で「先輩たちがバリバリ投げ込んでいたら、結局それに流されてしまうかもしれない。背番号18という注目度もある。そこで意志を貫けるかどうか…」と危惧する声もある。

 そんな心配に森下は「高校から入っていたら周りに合わせていたかもしれないですが、大学で学んできたので。自分は自分。体と相談しながらやっていく」と主張する。実際、この日の全体練習終了後、他のルーキーたちが居残りで自主練習をするなか森下は切り上げて自分の時間を有効活用。いきなりマイペースぶりを発揮した。「競争があるのでその競争に勝てたらいい」という森下。最後まで信念を貫き先発ローテの切符をつかみ取るつもりだ。