メジャーリーグで大活躍したイチロー氏が、安倍晋三首相からの国民栄誉賞の打診をまたも辞退したようだ。

 本紙は、安倍首相がイチロー氏と先月26日に首相官邸で2時間にわたって会食したことに関連して「安倍首相がイチロー氏に国民栄誉賞を授与するのではないか」(永田町関係者)と伝えていた。

 国民栄誉賞を巡って、イチロー氏は小泉政権下で2度、今年3月の引退後は、安倍首相から打診を受けたが、固辞していた。

 今回で4度目だが、安倍首相がイチロー氏に国民栄誉賞を打診した背景には、野党からの「桜を見る会」を巡る疑惑追及を逃れる目的があったとみられていた。

 政府関係者は「安倍首相は相当ショックを受けています。イチロー氏はオリックス社長と三井住友銀行頭取のスペシャルゲストとして首相官邸に招待されたんです。イチロー氏は、新聞に掲載される『首相動静』に本名の“鈴木一朗”の表記をお願いしていました。安倍首相の意向は最初からバレバレで、浅はかだったといわれています」と話す。

「桜を見る会」を巡っては、反社会的勢力を招待した疑惑に続き、新たにマルチ商法で行政指導を受けた「ジャパンライフ」の山口隆祥会長(当時)を招待した問題が焦点と化している。

 2日の参院本会議で安倍首相は、山口氏が招待された理由について明言を避けた一方、自身と昭恵夫人は、山口氏との個人的な関係は「一切ない」と話した。

 野党議員は「安倍首相は国民栄誉賞を私物化しています。イチロー氏に授与を打診したことは、節操がないし、大失敗でした。また反社会的勢力を招待した疑惑に関し招待者名簿を破棄し、ジャパンライフ問題でも今国会のうちに幕引きしたい意向がみえみえ。エンドレス追及していきます」と全く引く気はないという。