西武内部からパドレス傘下3Aエルパソ・牧田和久投手(34)の再獲得に対する悲観論が噴出している。

 牧田は米マイナーのシーズンが2日(日本時間3日)に終了したことで2017年パドレスと結んだ2年契約が終了。さっそく古巣・西武に加え、旧知の石井一久GMのいる楽天が獲得に向けた反応を示したことで、3年ぶりの日本球界復帰に、にわかに注目が集まっている。

 しかし、古巣・西武のチーム内部からは「戻って来てもらいたいのはやまやまだけど、ナカジの時と同じように向こうで結果を出せなかったことで本人側に戻りづらい状況があるんじゃないですか」との声が…。

 14年オフにアスレチックスとの契約が切れ、西武のラブコールを断ってオリックス入りした中島宏之内野手(37=現巨人)との類似性が指摘されているのだ。

 さらに球団の中からは「大方、楽天に決まってるでしょう。石井GMは一応、交渉のテイを演出しているけど実質、吉本興業内の内部調整でしょうから。前回のFA時に好条件で参戦していた巨人も来るでしょうけど、牧田―石井ラインで交渉の中身は筒抜け。楽天がこの争奪戦に負ける材料はないですよ」との悲観論が…。牧田の交渉状況全体を吉本興業内部の人間として把握できる人物がGMを務める楽天の優位性にあきらめムードが漂っている。

 実際、今春キャンプ時には石井GMが水面下で猛チャージをかけ、パドレスとの間でトレードマネー+残り契約(190万ドル)全額肩代わりの大盤振る舞いで「楽天入りが9割方決まりかけていた」(メジャー関係者)という情報があった。

 最終的に「2年契約を全うしたい」という牧田本人の心変わりで破談となったようだが、この経緯からも「受け皿はいつでも開けておく」(渡辺GM)という西武側は完全な丸腰状態。情報の精度の差で劣勢に立たされている。

 また、17年の海外FA時に水面下で牧田に条件提示を行いながら、西武側の「メジャーに行くからFAを容認してあげたんだよ」とのけん制で断りを入れた巨人の参戦も想定されるが、それも西武と同じ状況。交渉過程が筒抜けの“カジノのディーラー状態”では楽天に勝てるチームなどいないというわけだ。