日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(17=金足農)ら新入団選手8人が23日、札幌市内で会見に臨んだ。エースナンバーである背番号「18」を背負うこととなった吉田は「1年目から一軍で活躍できるように頑張ります」とあいさつしたが、そんな期待のルーキーの“いでたち”に、地元秋田から思わぬクレームがついてしまった。

 やや緊張した表情の吉田は、集まった大勢のカメラマンのフラッシュを浴びながら登壇。真新しいユニホームに袖を通し「ドラフトから日がたってプロ野球選手になる自覚が芽生えてきました。ユニホームを着てその自覚が強くなりました」と力強く語った。

 吉村GMが「18はエースナンバー」と話したように、首脳陣からの大きな期待を受けて入団した大物ルーキー。次代を背負うエースとして、5年後にオープンする北広島の新球場での活躍が期待されるが「5年後(新球場の)初めての試合で先発を任されるような投手になりたい」と、オープニングスターター拝命への強い決意を語った。

 晴れて日本ハムの一員となった吉田だが、一方で地元・秋田ではその服装が波紋を呼んでいる。この日と同様、前日22日は雪の舞う中、上着を着ない学ラン姿で北の大地に降り立ち、集まったファンを驚かせた。見るからに寒々しい装いに、金足農の関係者からは「契約金でジャンパーを買え!」との声が上がった。

 金足農のあるOBは「やっちゃったなーという感じ。秋田の高校生は昔から、どんなに寒かろうが意地でも上着を着ないんです。男は黙って学ラン一丁。それがバンカラでかっこいいという考え方で、そうやって精神力を鍛えるんです。とはいえ、そんなローカルな流行は知らないだろうから、出迎えた札幌の人は驚いたでしょうね」と説明する。

 秋田でメジャーな高校生のスタイルといえば、学ランは短ラン、ボンタン、靴はローファーで靴下はくるぶしソックス。自転車はサドルを一番低い位置に下げ、ハンドルはYの字に改造。手袋はせず軍手を2枚重ねでつけ、それをズボンの尻ポケットから“チラ見せ”するなど、他県民には理解しがたい謎の着こなしが多々あるという。

 前出のOBは「秋田ではそれでもよかったけど、これから全国区になろうという選手がローカルファッションのままはまずいでしょ。何より体が資本のプロ野球で、風邪でもひいたらどうするんだと。北海道の冬は秋田より厳しいんだから、カナダグースなりなんなり、高くていいものを買わないとダメ」と一喝。上着購入を厳命した。
 憧れの北の大地でさらに輝くためにも、まずは上等な一着を選びたいところだ。