第94回選抜高校野球大会・決勝(31日、甲子園)の先発マウンドに上がった近江(滋賀)の絶対エース・山田陽翔投手(3年)が自ら意思を示す形で途中降板した。山田は前日の準決勝・浦和学院(埼玉)戦の5回の打席で死球を受けて左足を打撲。痛みに耐えながら延長11回、170球を投げ抜いてチームの滋賀県勢初の決勝進出に貢献していた。

 この日、大阪桐蔭(大阪)との決勝前に状態を最終確認した上で「9番・投手」で先発出場。打撃でもプロ注目の山田は初戦から「不動の4番」だったが、投手に専念するオーダーで出陣していた。
 
 試合は、初回に不運な当たり(遊失)で先頭に出塁を許して先制点を献上。2回にも1点を失い、3回は相手主軸でプロ注目の3番・松尾(3年)に2ランを被弾した。この直後に山田がベンチへ右手で「交代」を求めるしぐさを見せ、そのまま降板となった。3回途中4失点(自責3)で、2番手左腕・星野世那投手(3年)にマウンドを譲った。