喜びを爆発させた。3月に開催される第94回選抜高校野球大会の出場32校が28日に発表され、花巻東(岩手)が4年ぶり4回目となるセンバツ出場を決めた。県勢としては3年ぶりの出場となる。

 この日、授業を終えた選手たちはグラウンド上で吉報を伝え聞くと満面の笑み。1年生でありながら高校通算50本塁打をマークしている〝怪物〟佐々木麟太郎内野手(16)も穏やかな表情とともに「一番うれしいということが今の自分の気持ちでありますし、とにかく今はセンバツに向けて準備を進めていきたいと思っています」と目尻を下げた。

 佐々木は今年のセンバツにおいて「1年生ビッグ4」と目される4人の中で最注目株。昨年秋の明治神宮大会でも2本塁打を放つなど存在感を見せた。昨年12月に中学時代から患っていた胸郭出口症候群の治療のため両肩を手術し、現在はセンバツ出場を照準に定めながらリハビリを優先させている。

「まだバットも触れていませんし、ボールも投げられていない状況の中で、この先どういうコンディショニングになるかもはっきりしていない」としながらも「センバツ間近の復帰になると思う。ホームランは自分の持ち味。『岩手から日本一』の目標を達成するために3番打者の責任を果たしたい。そして、まずチームのために責任をもって今はリハビリに徹していきたい」と述べ、言葉に力を込めた。

 実父である佐々木洋監督(46)は4年ぶりのセンバツ出場について、OBの菊池(マリナーズからFA)をエースとして擁して準優勝だった2009年の大会を振り返りつつ「1点に泣いた、あの決勝戦を本当に悔しく思っているので、何とか頂点に立てるように頑張っていきたいと思います」とコメント。長男・麟太郎に関しては「一選手としか考えていない。早く治して戦力になってほしい」とエールを送った。 

 目標の「岩手から日本一」を実現させるため、リハビリから復活する怪物1年生を主軸とした花巻東がセンバツで旋風を巻き起こす。