第100回全国高校野球選手権・静岡大会は27日、草薙球場で決勝戦が行われ、常葉大菊川が6―5のサヨナラ勝ちで島田商を破り、2年ぶり6回目の甲子園出場を決めた。前回出場の甲子園直前に辞意を表明した森下前監督のドタバタ退任劇から2年、高橋利和監督(32)にチーム再建の方法を聞いた。

 壮絶なシーソーゲームを制した。常葉大菊川は3回、根来の適時打で1点を先制。同点とされた直後の5回に再度勝ち越すも、7回以降は点を取り合う一進一退の攻防が続いた。最後は5―5の9回二死満塁から東がサヨナラ打。両軍計26安打が飛び交う乱打戦に終止符を打った。

 就任2年目でチームを甲子園に導いた高橋監督が取り組んできたのは、森下野球の継承とさらなる進化だ。バントをしない超攻撃的な野球で、これまで5度の甲子園出場とセンバツ優勝を果たした常葉大菊川だが「基本的なスタイルは変えてません。バントをしないというより、サインを出さずに自由に振らせる。本人たちに考えさせて、判断させています」と高橋監督。その上で「森下先生も半分ノーサインでしたが、僕はほとんど出していません。今日は7回のバントの一度だけ。練習時間は3時間だったのをさらに2時間に短縮した。これも自主練習の時間を増やして選手の自主性を養うため」と新しい取り組みを明かした。

 さらに、これまでも容認はしてきた男女交際をむしろ積極的に推奨。「恋愛も野球と一緒。言い方は悪いですが、作戦を立てないと女の子は落とせない。変化球がいいかなとか、ストレートで押すべきかとか。野球だけだと狭い世界になってしまいますから」とその意図を語る。

「自分の役割は選手と一緒にバカになってベンチを盛り上げること。選手のムチャ振りにも全力で応えますよ」と笑った青年監督。甲子園でも選手主体の野球で大暴れするつもりでいる。