ソフトバンクの小久保裕紀監督(55)が、今季ブレークを果たした若鷹たちに早くもハッパをかけた。DeNAとの日本シリーズを4連勝で制して2年連続の日本一に輝いたホークス。指揮官は9度宙に舞い、年間を通して背負い続けた重荷を下ろした。
その一方で、来季に向けての戦いはすでに動き出している。昨年、祝勝会を終えた指揮官がメディアを通して発した言葉は「一度、壊す」。目標を達成したナインの気を緩ませなかった。今年、指揮官が言及したのはブレークを果たした若鷹たちだった。
「来年楽しみだなという選手が結構出てきたので」。野手陣では日本シリーズMVPを獲得した正木や庄子、投手陣では12勝1敗と大きく飛躍を遂げた前田悠や、同じく12勝の松本晴。昨季までの主力に加えて、投打での新たな戦力の台頭が鷹の躍進を支えたのは違いなかった。
指揮官はその成長ぶりをたたえながらも、手放しでほめることはなかった。「この世界、3年ぐらい同じ成績を残して一人前」と語った上で、「(今季ブレークした)選手たちが本物かどうかを見極める年にもなると思う」と来季を意義づけた。1年活躍しただけではまだ〝本物〟とは呼べない。それは、昨年の面々もはね返された〝壁〟があるからだった。
昨年、離脱者が続出した中で柳町、野村といった面々が躍動。リーグ連覇に大きく貢献し、今季はさらなる飛躍が期待された。だが、今季は2人そろって出場機会数が減少。特に野村はスタメン出場が29試合と苦しんだシーズンだった。同じ相手と何度も対戦するプロ野球。相手も対策を練ってくる中で、継続して成績を残すのは容易なことではない。試行錯誤を繰り返しながら結果を出し続けてこそ一流。小久保監督は若鷹たちについて「『このぐらいするだろう』という期待値が上がっているので。今年はたぶん(プレーしていて)楽しかったと思う。楽しいだけじゃない本当のプロ野球の世界に入ってくる」と説いた。
本物のレギュラーになるために──。指揮官はここから壁を乗り越えるステップアップを期待している。












