2年連続13度目の日本一に輝いたパ王者・ソフトバンク。2024年の「日本シリーズ」で敗れたDeNAを相手に破竹の4連勝を飾って、最高峰の戦いを制した。第1戦から3試合連続延長戦は日本シリーズ史上初、4戦すべて2点差以内、逆転勝ちは3度。〝微差は大差〟とばかりに、常勝軍団が26年シーズンを鮮やかに締めくくった。

 臥薪嘗胆――。小久保裕紀監督(55)は選手たちに胴上げされ、9度宙を舞った。戦前「いやでも思い出す」と吐露。その言葉に、雪辱の思いが詰まっていた。両軍のシーズン成績は2年前と全く同じ。今シリーズも敵地・横浜で幕を開けた。用意されたかのような雪辱の舞台だった。

 同じ失敗を繰り返さない。4試合を通して継投のタイミング、代打、代走の起用など采配が冴えた。結果の責任を背負うからこそ敗因を直視し、進化を証明する機会に変えた。

 屈辱的な終焉を迎えた2年前のシリーズ。2連勝の後に悪夢の4連敗を喫して日本一を逃した。敵地での第1戦勝利後、巷で〝脇の甘さ〟を指摘された「3つ負けられるのが日本シリーズ」という発言があった。選手の重圧を和らげる意図で、あくまで4戦先勝制を強調した表現。他意は一切なかった。ゆえにグラウンド外の出来事を無用に掘り下げるよりも、本質的な敗因にフォーカスしていた。

 最大の後悔は、明確にあった。それは、レギュラーシーズンとは違う戦い方をしてしまったこと。具体的にはミーティング内容を細分化して頭に詰め込みすぎたせいで、直感やひらめきを生かせなかったことだ。「ちょっと入れ込みすぎた」。想定される試合の流れを確認し、状況に応じて優先順位を決めておくことは必須のマネジメント。だが、きっちり細分化すればするほど、自由度は失われる。〝がんじがらめ状態〟に陥り、短期決戦で威力を発揮するはずの〝直感を生かすタクト〟が振るえなくなっていた。

 待ちに待った雪辱戦。過去と向き合い、敗因を掘り下げて成長の糧にしてきたからこそ、勢いに乗って勝ち上がってきた宿敵を相手にしても絶対的な自信があったはずだ。今ポストシーズンは圧巻の7戦全勝。11球団から追われる立場となり、鷹の将はさらなる進化を誓っているはずだ。