〝金満軍団〟にも、財布のひもを緩めっ放しにはできない事情があるようだ。今オフのドジャースが最優先課題の一つに据えるのは、FAとなった剛腕タリク・スクバルの残留。しかしながらサイ・ヤング賞2度の左腕との超大型契約を巡り、若き主力と日本の怪物高校生の存在が〝思わぬ計算〟を強いている。

 米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」はスクバルの再契約問題と並び、ドジャースが今冬に資金を振り向けるべき複数の有力選手を取り上げた。

 今夏のトレードでタイガースから獲得したスクバルは、今オフFA市場の目玉。契約総額は一部専門家の間で5億ドル(約790億円)に達するとの予想まで浮上している。再契約が実現すれば先発陣は強化される半面、投手1人への破格投資は編成全体に影響を及ぼしかねない。

 そこで浮かぶのが、25歳の中堅手アンディ・パヘスだ。今季はオールスター初選出を果たし、攻守で存在感を示した若き主力が年俸調停権を取得。同サイトは、調停期間とFA取得後の数年間をまとめて買い取る形の長期契約案に言及した。成長著しいパヘスを今のうちに囲い込めれば将来の負担を抑えられるが、当然ながら目先の支出は増える。

 もう一人が、巨人のドラフト1位指名を受けながら米球界挑戦を強く望む横浜高の織田翔希投手(18)。米紙「カリフォルニア・ポスト」はドジャース入りが有力との見方を報じており、実現すればマイナー契約からの出発となる。契約金は300万~500万ドル(約4億7000万~7億9000万円)との予想もある。ただし、こちらは国際アマチュア選手向けの別枠で、新労使協定の行方も障壁だ。

 主力投手の引き留めか、若き中核の確保か、それとも未来への投資か。潤沢な資金を誇るドジャースでも、全方位への〝札束攻勢〟が最適解とは限らない。スクバルを巡る決断は、パヘス、織田も含めた今オフの補強戦略と密接に実は根深くリンクしている。