虎の〝捕手高齢化〟にドラ1のメスが入るか。22日のドラフト会議を前に、阪神が久々に1位で捕手を指名する可能性が浮上している。ターゲットは青学大の正捕手・渡部海捕手(22)。7月の「ワールド・カレッジ・ベースボール・チャンピオンシップ(WCBC)」では大学日本代表の主将を務めた。智弁和歌山高時代に全国制覇を経験し、青学大でも1年から正捕手として活躍。今秋ドラフトの1位指名が確実視され、複数球団が獲得を狙う逸材だ。

 阪神はかねて大学ナンバーワン捕手と高く評価し、密着マークを続けてきた。10月13日の東都大学リーグ・立正大戦(神宮)には竹内球団副本部長、畑山統括スカウトら幹部クラスを含む4人体制で視察。ドラフト直前まで熱心にチェックする姿勢は獲得への並々ならぬ意欲をうかがわせる。

 背景には、リーグ連覇を果たしたチームが抱える捕手の世代交代問題がある。今季の一軍は32歳・坂本、35歳・梅野、36歳・伏見の3人が中心。経験、実績ともに申し分なく、目先の戦力に不安はない。しかし、20代の捕手の台頭は今季も進まず、一軍で先発マスクをかぶった若手は皆無。次代を担う捕手の育成が進んでいないのが実情だ。

 阪神が大学・社会人出身の捕手をドラフトで獲得したのは、2020年に立命大(当時)の栄枝を4位指名したのが最後。以降は高校生や独立リーグ出身の〝素材型〟を育てる路線を取ってきたものの、一軍定着には結びついていない。

 主力3人の最年少である坂本も来季は33歳。今は健在でも、数年後の陣容を考えれば後継者の確保は待ったなしだ。ドラフトで早めに手を打たなければ、捕手陣の高齢化が一気に進む危険をはらんでいる。

 10年以降、阪神がドラフト1位で指名した16人の内訳は投手9人、野手7人で捕手は皆無。大卒捕手の上位指名は15年2位の坂本(当時・明大)以来で、1位クラスとなれば04年に自由獲得枠で獲得した岡崎太一(当時・松下電器)までさかのぼる。

 関西出身で強肩強打を誇る完成度の高い渡部。22日のドラフトで、虎が長年の指名傾向を覆す可能性は十分にある。