ナ・リーグ東地区の単独最下位に沈むメッツが14日(日本時間15日)、本拠地でのオリオールズ戦に1―2で敗れ、連敗で借金が再び「12」に膨らんだ。

 今季はソトら主力選手を中心に故障者が相次ぎ、優勝戦線から早々と脱落。ワイルドカード争いも10位に低迷し、もはや消化試合と化している。この日はそうした現実を象徴する出来事も起きた。昨季までメッツに在籍して264本塁打を放ち、今季からオリオールズに移籍したピート・アロンソ内野手(31)が初めて対戦相手としてシティ・フィールドに凱旋。しかも今季の35発でMLB通算299本塁打とし、節目の300号にリーチをかけての登場だった。

 そして3回の第2打席ではメッツ先発右腕・タンから左翼ポール際へ大飛球。球場内からはまるでアロンソのホームのような大歓声が上がり、打球がファウルゾーンに切れると特大のため息に包まれた。そこからカウントが進んで四球で終わると、メッツファンはアロンソを打ち取ろうとマウンドで奮闘した自軍のタンに向かって容赦ない大ブーイングを浴びせたのだ。

 この時点でメッツ側は0―1でビハインドの展開。アロンソに節目の一発を食らえば0―2となり、本来応援すべきチームはますます劣勢に立たされるところだった。しかし、ファンはメッツの勝利よりも長年チームのために尽くしてくれた強打者が大台に到達する瞬間に立ち合いたかったようだ。

 米メディア「ラリー・ブラウン・スポーツ」は「メッツはとっくにプレーオフ争いから脱落し、ファンもそのことを当然理解していた。シティ・フィールドでアロンソが通算300号を放つ姿を見ることは、シーズン終盤のどうでもいい一戦に勝つことよりも、球場に詰めかけた多くの観客にとってははるかに重要な出来事だった」とピシャリ。

 四球を与え、味方であるはずのファンからブーイングを浴びせられたタンは、投球時にバランスを崩したこともあってか周囲を見渡しながらあっけにとられるばかりだった。