33歳のスーパースターが、9月に入ってなお〝異次元〟へ加速している。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は2日(現地時間)、フィリーズのブライス・ハーパー内野手(33)の猛烈な上昇ぶりを特集した。1日(日本時間2日)のダイヤモンドバックス戦では4打数4安打1四球、1打点。意表を突く完璧なバント安打まで決め、7―1の快勝をけん引すると、連続出塁も34試合に伸ばした。

 何より度肝を抜くのが、8月4日(同5日)にジャイアンツからルイス・アラエス内野手(29)が加入して以降の数字だ。ハーパーは119打席で出塁率・521。これは同期間のメジャートップで、2位に実に58ポイント差をつけるとっぴな数字となっている。

 アラエス加入で打線に「つなぐ」要素が増えたことも追い風だ。ハーパーはチーム事情を優先して守備位置変更を受け入れ、アラエスが後ろを打つ布陣が完成。自身も初球スイング率を昨季の54%から47%へ落とし、際どい球を見極める打撃へ変化した。四球は98でメジャー最多。9月突入時点でOPS0・901は全体6位、出塁率4位、wRC+9位と33歳にしてなお超一流の数字を並べる。マッティングリー暫定監督も「別格だ」と舌を巻く。

 その波はチームにも伝染している。フィリーズは直近17試合で15勝を荒稼ぎ。79勝60敗とし、ナ・リーグ東地区首位ブレーブスに3ゲーム差まで迫った。

 1930年以降、33歳以上で規定打席に達しOPS0・900以上を記録したフィリーズ打者はジム・トーミとマイク・シュミットだけ。そこへハーパーが割って入ろうとしている。アラエスという新たな〝呼び水〟を得て33歳の怪物は秋本番を前に、まだ打撃の天井を押し上げている。