誰も欲しくない〝勲章〟まで手にしてしまった。ドジャースのカイル・タッカー外野手(29)が、まさかの「最低価値選手」に選ばれた。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は25日(日本時間26日)、米紙「ニューヨーク・ポスト」のMLBインサイダー、ジョン・ヘイマン記者がタッカーをナ・リーグの「Least Valuable Player(最低価値選手)」に選出したと報じた。もちろんMLBの公式表彰ではない。それでも今季の惨状を象徴するには、あまりにも痛烈な〝受賞〟だ。
ドジャースは昨オフ、タッカーと4年総額2億4000万ドル(約382億円)の大型契約を締結。年平均6000万ドル(約96億円)はリーグ最高額だが、今季は打率2割3分、11本塁打、57打点、OPS0・688。ヘイマン記者は最近の25打数無安打に加え、守備での目を覆いたくなる落球にも触れ、bWARが「0・0」である点まで列挙した。
期待されたのは、強力打線の中核を担い、3年連続の世界一を押し進める働きだった。ところが現実は正反対。打席では精彩を欠き、守備でも不安定さを露呈し、「ON SI」は球団が獲得を後悔している可能性にまで言及。チーム中継の解説を務めるエリック・カロス氏から降格案まで飛び出すほど、風当たりは強まっている。
本人も出口を探し続けている。タッカーは「ありとあらゆることを試したつもり。でも少し前進できたと思うたび、壁にぶつかってしまう」と苦悩を吐露。巨額契約の重圧が影響しているとの見方には否定的で、望んでいるのはチームの勝利に貢献することだけだという。
ロバーツ監督はMLBネットワークラジオで「君は一人じゃない」と支える一方、低い位置で捕球して落としたプレーについて「良い精神状態ではないというサイン」と指摘。単なる打撃不振ではなく、自信の揺らぎが守備にまで波及しているとの見方を示した。
ポストシーズンが迫る中、本来の姿を取り戻せば一気に評価を覆す余地は残る。だが現時点で刻まれたのはスターの称号ではなく、「最低価値選手」という屈辱の肩書。3連覇を狙うドジャースにとっても、約96億円男の復調待ちは、もはや悠長に構えていられる話ではない。












