新人王候補だったマリナーズのコルト・エマーソン内野手(21)をめぐって球団に衝撃が走っている。

 2023年ドラフト1巡目指名(全体22位)でマリナーズ入りしたエマーソンは今年の有望株ランキングで全体7位に選出された期待の新星。今年3月にはMLBデビュー前の選手に対する延長契約で、史上最高額となる8年総額9500万ドル(約151億円)で合意した。チームは黄金ルーキー加入に備え、遊撃手のJ・P・クロフォードを三塁へコンバートしたほど。エマーソンは春季キャンプで左手首を負傷したため開幕には間に合わなかったが、5月17日のパドレス戦でついにメジャーデビューを果たした。

 しかし、ここまで69試合に出場して打率1割9分、8本塁打、23打点、OPS.581と苦戦。米メディアによればここ6週間の成績は打率1割5分7厘、出塁率1割8分5厘、長打率1割9分6厘と同期間におけるMLBの全打者の中でワーストとなっており、球団は13日(日本時間14日)、エマーソンにマイナー降格を告げた。

 ここでの話し合いで、球団はエマーソンから左手首のケガが完治していないことを明かされたという。MLB公式サイトのマリナーズ番を務めるダニエル・クレイマー記者が「ジェリー・ディポート(マリナーズ野球運営部門社長)は、この遊撃手の左手首の状態が『本人が口にしていた以上に深刻だった』と語った。エマーソンがその問題をはっきりと訴えたのは、マイナー降格について話し合っていた時のことだった」と自身のXで明らかにした。驚いた球団は翌日、マイナー降格ではなくエマーソンを10日の負傷者リスト(IL)に入れることに変更した。

 期待の新人王候補がケガを隠してプレーし続け、急落したというニュースは波紋を呼んだ。米メディア「ビッグ・リード」は「ジェリー・ディポト氏はケガによる痛みがエマーソンのフィールド上でのプレーに悪影響を及ぼしていたと考えている。アメリカン・リーグの新人王候補として広く期待されていたエマーソンだったが、結果として自身のプレーによって出場機会を失うことになってしまった」と指摘。チームは57勝65敗で西地区3位と厳しい状況に追い込まれており「今やマリナーズは『失われたシーズン』に直面している。もしエマーソンがもっと早く声を上げていたら事態はどう変わっていただろうか、という切実な疑問が残ることになった」と解説した。