この日の試合後も後味の悪さばかりが…。阪神は18日の広島戦(マツダ)に1―2で競り負け、連勝は2でストップ。2位・巨人と3位・ヤクルトも敗れたため、上位のゲーム差に変動はなかった。

 前夜のカード第1戦(マツダ)で死球を受けた前川右京外野手(23)はこの日「右肩甲骨の骨折」と診断され無念の登録抹消。藤川監督も「インコースに投げるには技術も必要なのでね。技術の引き上げをしてもらいたい。勝負する以上は(内角にも)投げなきゃいけないけど…。我慢はしますけど…。勝負となったらお互いに熱くなる時も出てくるかもしれませんね」と怒りを押し殺していた。

 割り切れない思いが表層化したのは、1点ビハインドの8回一死無走者で迎えた、佐藤輝明内野手の第4打席。鯉2番手・ハーンがカウント0―2から投じた3球目の150キロ直球が大きくすっぽ抜け、佐藤の内角を際どくえぐる形となった。

 虎の背番号8は腰を引きながら、この一球をなんとかかわしたが、温厚な男にしては珍しくマウンド上のハーンを鋭くにらみつける。一度はマウンド方向へ歩を進めるようなそぶりも見せただけに、グラウンド上は一触即発の空気に包まれた。

 なんとか気を取り直してバッターボックスに戻った佐藤だが、気持ちが空回ったのか外角低めへの変化球に手を出してしまい空振り三振。試合後、この一幕について報道陣にコメントを求められたが、沈黙を完全に貫き宿舎へのバスに乗り込んだ。

 藤川監督も「また明日、普通に試合をするだけです。お疲れさまでした」と乾いた声で振り返り、試合後の囲み取材を手短に打ち切った。