カナダの伝説的シンガーソングライター、故レナード・コーエン(享年82)さんの屈指の名曲「ハレルヤ」をトランプ米大統領が集会で無断利用したことに対して、コーエンさんの遺族と遺産管理団体が、トランプ氏を強硬に批判した。カナダCTVが先日、報じた。

 同曲は、独立宣言250周年を記念して24日に開催されたワシントンD.C.のナショナル・モールで行われた「グレート・アメリカン・ステート・フェア」の開幕キックオフ・イベントで、B―2爆撃機の飛行展示の際に使用された。その後にトランプ氏が約30分の演説を行った。

 これに対し、遺産管理団体はSNS上で「レナード・コーエン遺産管理委員会は、6月24日に開催されるドナルド・トランプの集会で、楽曲『ハレルヤ』が演奏されることを把握しました。この使用は許可されておらず、当委員会は本件および同様の使用を支持・承認するものではありません」と述べている。

カナダの伝説的アーティスト、レナード・コーエンさん(2013年=ロイター)
カナダの伝説的アーティスト、レナード・コーエンさん(2013年=ロイター)

 トランプ氏の集会における「ハレルヤ」の無断使用は今回が初めてではなく、2024年にもカナダで生まれ育った人気シンガーライターのルーファス・ウェインライトによる同曲のカバーが許可なく使用されていた。

 当時、ルーファスは「レナード・コーエンの『ハレルヤ』は、平和、愛、そして真実の受容を祝福するアンセムとなっている。長年に渡ってこの寛容を称える歌と関わりを持てたことを、この上なく光栄に思ってきました。昨夜、トランプとその支持者たちがこの音楽に酔いしれる姿を目撃したのは、冒涜の極みだった」と抗議を寄せている。ルーファスはデビュー当時から、ゲイであることをカミングアウトしている。

「ハレルヤ」はボブ・ディランなど実に300人以上のアーティストにカバーされている名曲。最近ではアリアナ・グランデが、自身の楽曲「バイ」が移民摘発を宣伝する動画のBGMとして無断使用されたことを受けて、トランプ政権を激しく非難している。