サイクルシェアリング「ドコモ・バイクシェア(DB)」のシステム不具合によるサービス停止が長期化している。

 DBの不具合は先月29日から断続的に発生し、今月1日には全国的に利用できない状況となった。4日にはサービスの一時停止を発表し、その後、奈良、広島、鹿児島ではサービスを再開したが、他のエリアは9日時点で利用できない。

 DBは一民間企業のサービスを超え、都内16区や神奈川・横浜市、川崎市、宮城・仙台市、大阪市、奈良市などの自治体と連携し、交通インフラの一つとなっている。また、北海道・札幌市や石川・金沢市、山梨・甲州市など全国の事業者にシステムを提供していて、今回の不具合でサービスが利用できなくなった。

 DBを傘下に置くNTTドコモの前田義晃社長は6日の決算会見で謝罪し、原因についてはシステムの切り替えに伴う通信トラブルと説明していた。7日には今月1日以降の利用料金の返金を発表し、復旧次第、順次サービスを再開するとしているが、発生から1週間以上たっても不具合は解消されない異常事態となっている。サイバー攻撃ではないという。

 DBを巡っては、3月から物議を醸す事態が起きていた。サービスブランドを5月から「NOLL(ノル)」へ変更すると同時に、これまで30分ごとに165円だった料金を10分ごとに99円に変更するなどの新料金体系への見直しを発表していた。

「短時間での利用は安くなったように見えるが、30分利用の場合は297円で実質2倍近い。新たに導入される車両は10分120円でさらに高い。10分で料金が上がっていくことで運転にゆとりがなくなるし、月額利用は無制限だったが、30回までの上限が設けられ、通勤・通学で往復利用していたユーザーは15日しか使えない。リブランドによる便乗値上げや改悪だと騒がれていた」(利用者)

 結局、DBは5月に予定していたブランド変更および新料金体系の導入は、品質確保のための追加対応を理由に9月へ延期。8月1日からは刷新の前段階でログイン方式などのサービス仕様を変更した直後に大規模不具合が発生した。

 DBはサイクルシェアリングの草分け的存在で、不動の地位を築いていたが、今回の不具合で競合するソフトバンク系の「HELLO CYCLING(ハローサイクリング)」や「LUUP」へ乗り換えるユーザーも多い。DB1社に依存していた自治体ではシステム障害へのもろさが露呈したともいえ、複数事業者を導入すべきとの意見や新料金体系の導入見直しを求める声が高まり、波紋は広がっている。