“ヒューストンの奇跡”を起こせるか。北中米W杯1次リーグF組を2位で突破した森保ジャパンは、決勝トーナメント1回戦(29日=日本時間30日、米国・ヒューストン)で史上最多のW杯5度優勝を誇る“サッカー王国”ブラジルと対戦する。1996年アトランタ五輪でブラジル撃破に貢献した元日本代表MF前園真聖氏(52=東京スポーツ評論家)は、スター軍団が相手でも日本に十分な“勝算”があるとズバリ指摘した。

「W杯制覇」を掲げる森保ジャパンに最初の試練が訪れた。前園氏は「ブラジルですからね。強いのは間違いないです。日本が国際親善試合(昨年10月、3―2)で勝っているといっても、ベストメンバーではなかったですし、W杯のブラジルはまったく別のチームになりますから」としながらも「日本は十分に戦えます。チームとしてレベルアップしていますし、ブラジル相手にも対等、互角に戦えると思っています」と強調した。

 ブラジルは世界トップストライカー、FWヴィニシウス(レアル・マドリード)をはじめFWマテウス・クーニャ(マンチェスター・ユナイテッド)ら実力者ぞろい。FWラフィーニャ(バルセロナ)は負傷で欠場の見込みだが、メンバーの多くが欧州ビッグクラブでプレーしており、豊富なタレントを擁する。しかもチームを率いるのは、世界的名将のカルロ・アンチェロッティ監督とまさに“王国”の陣容だ。

 かつてブラジル1部サントスでもプレーしていた前園氏は「ヴィニシウスは飛び抜けた存在で世界トップのストライカーです。それとクーニャにも注意が必要です。この2人が攻撃の中心ですね。それとDFラインは強固でバランスが取れています。それにブラジルはとにかく本番に強いですから。ネイマールも注意? そこはどうですかね」と分析した。

 その上で「日本は中盤とサイドでブラジルに対して、優位性があります。サイドなら中村(敬斗=スタッド・ランス)と伊東(純也=ゲンク)、堂安(律=Eフランクフルト)、前田(大然=セルティック)がそれぞれが仕掛けられますし、突破して一発決めれば。中盤も田中(碧=リーズ)、鎌田(大地=クリスタルパレス)の関係が組織的で厚みがある。そこは日本の長所」という。

 30年前にブラジルを撃破したことは“マイアミの奇跡”として今も語り継がれている。当時のキャプテンは「経験から? 僕らのころは大きな力の差がありましたし、90分の流れの中で耐える時間が長くピンチもあった中で、戦略として相手のミスを誘うことでチャンスをつくりましたから」と振り返る。そして日本イレブンに向けて「メンタル的にもしんどい戦いになりますが、相手をリスペクトしすぎず、自分たちのストロングポイントを出して、相手の長所を抑えることですね」と助言した。

 幸いにも1―1で引き分けた1次リーグ最終戦スウェーデン戦(25日=同26日)で、MF佐野海舟(マインツ)とDF冨安健洋(アヤックス)を休養させられたことはプラス材料という。「そこは大きいですね」と2人の存在がヴィニシウス対策に役立つと期待。「ブラジル相手なので簡単ではないですけど、必ずチャンスはあります。その隙を逃さないように決めたい」と森保ジャパンの勝利を願っている。