プロレス王者のアントニオ猪木が、ボクシング世界ヘビー級王者モハメド・アリと戦った「格闘技世界一決定戦」(日本武道館)から、26日でちょうど50年がたつ。昭和から語り継がれる伝説の一戦を、令和のトップレスラーはどう見ているのか。〝燃える闘魂〟が憧れの存在だという〝太陽神〟Sareee(30)に聞いた。
Sareeeは父親が猪木さんの大ファンだけに、子供の頃から伝説の一戦の話を伝え聞いてきた。「15ラウンド(R)引き分けで、『すごい試合だった』と。その試合で猪木さんは何もできなくてバッシングされたんですよね?」と話す。
その言葉通り、猪木はアリのパンチをくらわないため、背中をつけた状態でグランドからキックを放つだけ。アリも何もできずに、15Rが終わり「世紀の凡戦」と酷評された。ただ猪木が取った戦法はルール上、勝利するにはこれしかないというものだった。しかも後にPRIDEやK―1などの総合格闘技(MMA)戦で、「猪木アリ状態」と呼ばれるほど頻出したこともあって、「MMAの源流」としての再評価につながった。
Sareeeは「プロレスを広めるためのすごいチャンレンジ。猪木さんって、何にでもチャレンジする人で、プロレスラーの強さを見せつけるために、守るために出たと思う。負けることなんて考えるわけないし、勝つ気でいっている。それに挑めるってすごい。やっぱり猪木さんはすごいと思います」。猪木さんの後の名言にも触れながら、アリを相手に勝ちにいった姿に驚嘆する。
猪木さんはアリ戦のおかげで世界中にその名を知らしめた一方、アリのファイトマネーなどでばく大な借金を背負ったとされている。「選手としてもプロモーターとしても、全部をかけて戦った。だから、50年たっても歴史に残っているってことですよね。私にそれができるのって言えば、どうなんだろうって思う。すべて知っているわけではないですが、猪木さんの話を聞くと、私自身、こんなんじゃダメだと刺激になるし、もっと頑張らなきゃと思うし、背中を押されるなあというのはあります」
Sareeは25日、自主興行「Sareee―ISM」の第11弾を8月24日、第12弾を9月26日に東京・新宿フェイスで開催すると発表。3月のデビュー15周年記念興行後には、将来的な目標に猪木アリ戦が行われた日本武道館での大会開催をぶち上げている。
伝説の一戦が、アントニオ猪木を知らない世代にも少なからず影響を与えているのは間違いない。













