10月1日はプロレス界のスーパースター、故アントニオ猪木さん(享年79)の命日。〝燃える闘魂〟が死去してから、早くも3年がたつ。バルセロナ五輪柔道銀メダルでプロレスラーとしても活躍した元暴走王・小川直也氏(57)が、YouTubeチャンネル「小川直也の暴走王チャンネル」との合同企画で、師匠から授かった「金言ベスト3」を振り返った。
【The Ranking~気になるモノを徹底調査】小川氏は1997年2月にプロレスラーに転向し、猪木さんに師事。マンツーマンで〝猪木イズム〟を叩き込まれた。最初に響いた言葉は「スキャンダルを起こせ!」だった。「スキャンダルを経営に結びつけるということ。スキャンダルを起こしてイメージが悪ければ悪いほど(プラスに)転換した時にものすごい力になる。『とにかく悪いこと起こせ』と」。猪木さん得意の「逆転の発想」で「ピンチをチャンスに変える」というわけだ。
この教えが「暴走王」の誕生につながるわけだが「手始めに言われたのが『社長、ぶっ飛ばしてこい』だった」と苦笑い。これが非難ごうごうとなった、98年6月新日本プロレス・日本武道館大会での坂口征二社長襲撃に発展したというから、猪木さんも何とも罪作りだ…。
同年4月4日の猪木引退試合(東京ドーム)でのスピーチも、リングサイドで見守っていた暴走王の胸に「僕らの世代に響く言葉。年を取れば取るほど味が出るし、深いよね」と突き刺さった。「人は歩みを止めたときに、そして挑戦をあきらめたときに年老いていくものだ」
小川氏は一昨年、宅地建物取引士(宅建)の資格試験に合格。師匠の教えに従い、4度目の挑戦で結果を出した。「試験では若い世代と戦ったわけじゃん。オレはつまらないことでも何でも挑戦しようと思っている。だから、オレは自分の年齢を忘れることあるんだよ。猪木さんはリングに上がらなくても〝生涯プロレスラー〟だったし、すべてをさらけ出して生き抜いた。挑戦を忘れたら老いるだけ。この教えだけは、記憶力が低下してきた今でもスラスラ出てくる(笑い)」と57歳の弱みも示しつつ語った。
最後に挙げる金言は引退スピーチを締めくくった「道」の詩だ。
「この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ」
猪木さんはこの後「ありがとー!」と叫び、7万人の大観衆と「1、2、3、ダーッ!」でリングに別れを告げた。プロレス史上に残る不朽の名場面だったが、小川氏は柔道から転向時に訪れた米ロサンゼルスで、実はこの「道」を猪木さんから贈られていたという。
「猪木さんは大好きなんだって、一から始めることが。人生に遅いも早いもないってこと。オレはこの詩が大好きで(晩年の)猪木さんにサインを入れてもらって(小川)道場に飾ってある。道場の子供たちにも、こういう生き方をしてほしいんだ」
「道」のオリジナル作者は一休宗純ではなく、宗教家の清沢哲夫とされている。猪木さんは引退前年の春には自身の「道」をつくっていたのだ。
「猪木さんはいろんな言葉に興味があって、それを上回るものがこれ。モハメド・アリ戦(76年6月)ですごい借金抱えたけど『俺はやり通したよ』と言っていた。『金じゃねえんだよ』と迷わず行ったんだから。そんな猪木さんから『目先の損得勘定で動くんじゃないよ』と言われたら、そうとしか思えないよな」と元暴走王はしみじみ話した。
伝説の引退セレモニーから27年半の月日を経たが、猪木さんの「金言」は色あせず多くのファンを今も支えている。













