白旗を掲げるべき窮地で、名門の編成トップはなお反攻を口にした。レッドソックスのクレイグ・ブレスロー編成本部長(45)が23日(日本時間24日)、敵地デンバーでのロッキーズ戦前に、8月3日(同4日)のトレード期限へ向けた方針に言及。チームが32勝45敗、勝率4割1分6厘でア・リーグ東地区最下位に沈み、ワイルドカード圏にも6ゲーム差をつけられる中で、売り手転換を明言せず「まだ勝利を積み重ねられる」との姿勢を示し、波紋を広げている。

 米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は、地元有力紙「ボストン・グローブ」の報道を引用する形でブレスロー氏の発言を詳報した。同氏は「現実的に考え、組織にとって最善の策を講じる」と前置きしながらも、「まだより良いプレーができ、勝利を積み重ねられる」と強調。「その決断が明確な段階には至っていない」とも語り、期限までの残り試合で流れを変える可能性に望みをつないだ。

 ただ、現実は甘くない。前日22日(同23日)のロッキーズ戦では9回に2点リードを守れず逆転負け。23日(同24日)は先発のグレイが7回1失点、11奪三振と好投し5―2で勝ったが、1勝で景色が一変するほどの位置にはいない。投手陣はチーム防御率3・82でメジャー7位と踏ん張り、得失点差もわずかマイナス5。数字上は完全崩壊ではない一方、打線は得点力不足と波の激しさが目立ち、白星を継続できないことが最大の問題となっている。

 それだけに、ファンの視線は厳しい。売り手に回れば、期限前の市場で価値を持つベテランを放出し、来季以降へ資産を回収できる。だが買い手に踏みとどまるなら、右打ちの長距離砲など外部補強が必要になる。中途半端な姿勢のまま時間だけが過ぎれば、低迷の責任は編成トップへさらに重くのしかかる。

 名門は諦めていないのか、それとも諦める決断を先送りしているだけなのか。ブレスロー氏の強気発言は、チームを鼓舞するメッセージである一方、借金13という壊滅的な現実との落差も際立たせた。白旗拒否が反攻の合図になるのか、逆に泥沼を深める見えに終わるのか。レッドソックスの残された数週間は、編成の覚悟そのものを問う時間になりそうだ。