ロッキーズの菅野智之投手(36)に追い風が吹きまくっている。20日(日本時間21日)に先発した本拠地でのパイレーツ戦で6回4安打1失点の好投を披露し、8勝目(4敗)をマーク。MLB屈指の好投手、スキーンズとの投げ合いを制し、6月に入って4登板連続で勝利投手となった。

 先発投手に勝ち星がつくにはさまざまな要素が必要だ。自身の失点数を上回る味方の援護点だけでなく、傷口を広げないための守備、さらに救援陣に試合終了までリードを保ってもらわなければならない。この日は2―1でチームが勝利したが、幕切れは思わぬ形となった。

 1点リードの9回に救援陣が二死満塁のピンチを招き、菅野の勝利投手の権利は消滅寸前。4番手のヒルはマンガムを三遊間へのボテボテのゴロに打ち取ったが、捕球した三塁手のキャロスはどこにも送球できず、同点に追いついたと思い込んだ相手のナインは沸き立った。ところが、審判団の判定は「アウト」。実はゴロを捕球する直前に三塁進塁を狙った二塁走者の後ろ足がキャロスのグラブに当たっており「守備妨害」でゲームセットが宣告されたのだ。

 プレーしていた当事者たちにしか分からない結末に、スタンドのファンたちにも微妙な空気が流れたが、追い上げムードから突如敗戦が決まった相手のドン・ケリー監督(46)は大激怒。猛然と審判団に詰め寄り、激しい口調とジェスチャーで抗議したが、試合はすでに終了しており退場となることもなかった。

 珍しいゲームセットの瞬間に米メディア「ラリー・ブラウン・スポーツ」も「一見するとありふれたプレーに思われたが、キャロスは送球すらできず、事態は思わぬ方向に向かった」「パイレーツの監督は審判団に激しく抗議した。試合の結果が決まってしまった以上、彼にできる唯一の手段だった」と取り上げた。

 何はともあれ、菅野はメジャー1年目だった昨季在籍したオリオールズで挙げた10勝(10敗)まで早くもあと2勝。前回登板した14日(同15日)のアスレチックス戦では5回8失点(自責6)を喫しながら勝利投手となった。不思議なパワーも味方につけ、前半戦だけでMLBでのキャリアハイを更新しそうだ。