名門の迷走は、ついにフロント要職のポジションまで揺らし始めた。米メディア「ヘビー」は2日(日本時間同日)、低迷するレッドソックスのクレイグ・ブレスロー編成本部長(45)が球団内で「深刻な懸念に直面している」と報じた。

 チームは1日(同2日)時点で25勝33敗、ア・リーグ東地区最下位。首位レイズとは11・5ゲーム差で、ワイルドカード圏内にも3ゲーム差をつけられている。昨オフに先発陣と打線のてこ入れを進め、反攻を掲げたはずの名門は得点25位、本塁打29位、OPS21位と攻撃面で沈み、期待と現実の落差だけが広がっている。

 ブレスロー氏は4月下旬、コーラ前監督とコーチ陣の大半を解任する大ナタを振るった。だが、ベンチの刷新は劇薬になり切れなかった。地元有力紙「ボストン・グローブ」の報道を引用した同メディアによれば、球団内ではブレスロー氏の分析偏重の姿勢や選手、クラブハウス側に考えを伝えるコミュニケーション面への不安が強まっているという。メジャーで12年間投げた元MLB投手の肩書も持つ同氏は、データと現場をつなぐ橋渡し役として期待された。ところが今は、その橋がうまく架かっていないことこそが問題視されている。

レッドソックスのブレスロー編成本部長(ロイター)
レッドソックスのブレスロー編成本部長(ロイター)

 その余波は吉田正尚外野手(32)の立場にも直結する。今季は41試合で打率2割5分9厘、1本塁打、10打点、OPS・706。5月31日(同6月1日)のガーディアンズ戦では7回に貴重な2点打を放つなど存在感も示したが、起用法は固定されていない。もともと外野の層が厚く、高額契約も重荷となる中、吉田は「打てる保険」であると同時に、編成を組み替える際の検討対象にもなり得る微妙な位置にいる。

 昨夏にはデバースをジャイアンツへ放出した大型トレードが、フロントと現場の溝を浮き彫りにした。今回もブレスロー氏がトレード市場で動けば、補強だけでなく整理の対象として吉田の名前が浮上しても不思議はない。しかも6月は同地区との直接対決も続き、売り手に回るのか、巻き返しへ補強に踏み切るのかの判断も迫られる。

 勝てない、伝わらない、噛み合わない――。ボストンの停滞は、単なる成績不振では済まなくなってきた。6月の巻き返しに失敗すれば、名門の次なるメスはベンチではなく、ロースター全体に入る可能性がある。