過去は変えられないが、未来は変えられる――。DeNAは28日のオリックス戦(横浜)に3―1で勝利し、連敗は2でストップ。エース・東克樹投手(30)が7回6安打無四死球1失点の力投で5勝目を挙げた。

 ハマスタに23日ぶりとなる汽笛が鳴り響いた。0―1の7回一死一、二塁の好機で代打起用された京田陽太内野手(32)が、今季1号となる逆転の決勝3ランをマーク。9戦連続ノーアーチと長打不足に泣いてきたチームにとっては、まさに値千金の待望弾。ホーム球場での一発は5月5日の広島戦で林がマークした1号2ラン以来という超久々の快音だった。

 あっさりとカウント0―2まで追い込まれたが、そこから3球続けて投じられた内角への際どい直球を見逃してフルカウントまで持ち込んだ。ベンチの相川亮二監督(49)はこの時の京田を見て「腹をくくって打席に入っているな。意識が変化球に向かっている」と直感したという。6球目に投じられたのは、低めいっぱいへのフォーク。曲芸打ちのようにさばいたバットコントロールにはプロの世界で10年間、酸いも甘いも味わってきた男の技術と精神力と胆力が凝縮されていた。

 正捕手・山本のトレード流出、ビシエドの電撃引退など編成面で激震が続いた5月のDeNA。ネガティブな報道やSNS上での言説は嫌でもナイン、関係者の耳にも届いていた。それでも京田は「優勝するために球団がいろいろな動きをしている中、僕らは目の前の試合を戦うだけ」と訴える。フィールド上で戦うのはあくまでもユニホームを着た選手たち。自分たちの覚悟と結果次第で、未来はどうにでも切り開くことができる。

 指揮官が選手たちに求めているのも腹をくくった京田のような「戦う顔」だ。32歳。ベテランの域に差しかかった男のこの日の一撃を「あれがターニングポイントだった」と、振り返ることができる未来にしてみせる。