阪神が17日の中日戦(甲子園)に2―1で逆転勝ちし、連敗を2でストップ。首位ヤクルトとの差も0・5ゲームに縮まった。主役は「3番・右翼」にどっかり座る森下翔太外野手(25)だ。リーグ本塁打トップを走る決勝の7号ソロを放った若虎に対し、メジャー関係者の間でも「メジャー適性」を認める声が強まり始めている。
1―1の同点で迎えた7回一死走者なし。森下は根尾の初球、真ん中やや内寄りの150キロ直球を迷いなく振り抜いた。打球は左中間を破る決勝アーチ。一振りで試合を動かす力、勝負どころで仕留める強さ、そしてスイングの鋭さ。どこを取っても、主砲の風格を感じさせる文句なしの一発だった。
あるメジャー関係者は、もともと森下の打球速度やバットの入射角度といった技術面に大リーグでも通用する資質を見ていたという。実際、今春のWBC準々決勝ベネズエラ戦ではMLBでも実績十分の大物左腕レンジャー・スアレス投手(30=レッドソックス)から一時勝ち越しの3ランを放ち、その評価をもう一段押し上げた。だが、森下の強みは技術だけではない。
この日の試合後も本人は「好調っていう感覚は特にはない」と言い切った。結果が出た夜でも、波に乗っているとは表現しない。むしろ「常にコンディションを整えて」「結果だけがフォーカスされるけど、それを出すために努力もしてきている」と、日々続けてきた準備の積み重ねに重きを置いた。
日ごとに体の状態は違う。それでも自分を見極め、その日に必要なトレーニングを整理して続ける。その愚直さがある。前出のメジャー関係者も「自分の世界を持ち、必要以上に周囲に振り回されない。調子の良しあしに言い訳せず、結果が出ても浮かれず、出なくても崩れない。こういうタイプは、長いシーズンと過酷な移動の中で戦うメジャーの空気にも合う」と分析した。
藤川球児監督(45)が「重い試合だった」と振り返った一戦でも、森下は「監督は立場上、いろいろ考えると思うけど、自分たちは毎日試合をやって勝っていくだけ」と言い切る。独自の世界観を持つ虎のスラッガーからは、すでに〝傑物〟の気配が漂う。












