阪神は「MLB東京シリーズ」で行われるプレシーズンゲーム(15日・カブス戦、16日・ドジャース戦)の公式練習を14日、東京ドームで行った。佐藤輝明内野手(26)、森下翔太外野手(24)ら猛虎の主力勢が約2時間にわたって汗を流し、対メジャーとの激突に備えた。

 幼少期からイチロー氏(51=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)に強く憧れてきたという佐藤輝は「(カブスやドジャースの)練習も見てみたかったですね」と眼前のメジャーリーガーたちに興味津々。将来的な米球界移籍願望を公言してはばからない森下も「自分たちにとってもシーズン開幕を前にした大切な試合になるので、何か得られるものを見つけたい。いいアピールの場だと思うので」と意欲をみなぎらせた。

 佐藤輝や16日のドジャース戦で登板予定の才木は、昨オフの更改交渉の場で球団サイドにポスティングシステムでのメジャー移籍を希望する意向を示したと公言。球団関係者は「佐藤輝、才木、森下だけでなく、阪神も今後はメジャー移籍を希望する選手がさらに増えていくのだろう」との見解を示し、時代の変化に戸惑いを隠せずにいる。

 20~30代前半までの若い選手が主力の大半を占める虎ナインたちは、物心ついたころから日本人選手たちが当たり前のようにMLBで活躍する姿を目にしてきた世代。それだけに「米球界との精神的な距離は、上の世代よりはるかに近い。サラリー面でも太刀打ちできないし、育った選手が当たり前のように海外へ飛び出していく時代が来たのだから、今後のチーム運営や戦力編成はますます難しく、複雑になるだろう」と前出の関係者は語る。

 WBCや五輪などの国際舞台に立った選手が、MLBへの移籍願望を一層強くするパターンは多い。今回はあくまでも開幕前のエキシビションマッチに過ぎないが、それでも相手は大谷、ベッツ、フリーマンら現役バリバリの超一流選手ばかり。彼らとの対戦が虎ナインたちにどのような心境の変化をもたらすかは未知数だ。

「そんなことよりも、メジャーで活躍できる選手、求められる選手にまで、それぞれが成長することの方が先やろ」とは別の球団幹部の談。米球界で長く活躍できた虎出身メジャーリーガーは、ほぼ皆無なだけに〝後進〟たちには奮起を期待したいところだ。