巨人の田中将大投手(37)が8日の広島戦(マツダ)に先発し、7回3安打1失点の好投を見せた。今季2勝目こそつかなかったが、ベテランの貫禄十分の投球で劇的勝利の土台を築いた。

 ベテラン右腕は立ち上がりから飛ばした。4回一死まで走者を一人も許さない完璧な投球。中村に初安打を浴びた後もリズムは崩れず、広島打線を寄せ付けなかった。試合が動いたのは0―0の7回だ。無死二塁の場面で味方守備の乱れも絡んで先制点を失ったが、崩れずに最少失点で踏みとどまった。7回を投げて3安打1失点、1四球5奪三振。十分すぎるほど先発の役割を果たした。

 すると、その粘投が終盤の逆転劇を呼び込む。9回に泉口友汰内野手(26)から3号逆転2ランが飛び出し、巨人は土壇場で勝負をひっくり返した。田中将は試合後、「全部良かったです。ボールもしっかり制球できていたし、フォーム、気持ちの面でもいいバランスで投げられたと思います」と納得の表情。阿部慎之助監督(47)も「今日はテンポよくてね。コントロールも良かったですし、本当に素晴らしい投球で。ああいう粘りがあったからこそのこういう試合になったんじゃないですかね」とたたえた。

 昨季は日米通算200勝に到達しながらも、3勝4敗、防御率5・00と苦しんだ。それでもチーム内では、今季の巻き返しを決して意外とは受け止めていなかった。昨季終了後の時点で、あるチーム関係者はこう見ていたという。

「今季は完成形にたどり着くまで時間はかかったけど、シーズン終盤になっても出力は落ちるどころか、むしろ上がってきていた。オフの調整さえ順調にこなしていけば、正直来季はもっと活躍すると思うし、2桁勝利しても驚かないよ」

 周囲にとっては〝驚き〟でも、内部ではすでに見えていた復調の兆しだったわけだ。阿部監督が「ほかの投手陣も見習うところはまだまだあるんじゃないかなと思います」と語る37歳は、実績だけでなく姿勢でも若い投手陣を引っ張る。復活ではなく、再証明。田中将の存在感は、まだ巨人投手陣の真ん中にある。