全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗が〝世界一を目指さない〟独自のポリシーについて語った。宮原は20日八王子大会で羆嵐を下し、V6に成功。「(羆嵐が)すべてさらけ出したって感じました。真っすぐな男だとわかりました」と、激闘を通じて対戦相手の理解を深めた。

 名実ともに全日本の顔である宮原だが、団体をけん引する王者として、夢や目標を語ることが少ない。取材に応じると「僕にも『新しい時代をつくる』とか『世界一の団体にする』とか、若いころはそう言ってた時期もありました。でも、これは非常に面白くない、下手くそな戦略だと思ってやめたんです」と、ここ数年で変化があったことを明かした。

 理由については「『世界一~』とか言うと、命をかけて戦っている戦いが『業界1位になるための戦いなのか』ってなっちゃうんです。これが面白くない。観客動員についても同じで、そういうのは背広を着た人たちがやればいい裏の話。選手が言っちゃうのは、プロレス界の良くない流れですよ。命をかけている攻防が『満員になるためにやってるんだ』ってなったら、リング上が薄まって、観客が喧嘩に集中できないんです」と持論を展開し「プロレスってずっと続く。結局1戦1戦を全力で戦うってところにいきつきましたね」と結論を説明した。

羆嵐(上)の巨体をシャットダウンスープレックスで投げ切った宮原健斗
羆嵐(上)の巨体をシャットダウンスープレックスで投げ切った宮原健斗

 この日も集まった1750人の観客を前に宮原は全力ファイトを展開。「今日の試合も、今を必死に生きる男の戦いが見せられたんじゃないですか。ケガをするリスクだってある。でも、だからこそチケット代を払う価値が生まれるんだと思います」と力説した。

 春の祭典「チャンピオン・カーニバル(4月12日・後楽園ホールで開幕)」に向けても「目の前の1戦1戦を戦うだけです」と拳を握る。〝一所懸命〟な王者の今後に期待だ。