最強軍団が思わぬ落とし穴にはまった。第6回WBC1次ラウンドB組で米国は10日(日本時間11日)、ヒューストンのダイキン・パークでイタリアに6―8で敗戦。優勝候補が喫した手痛い黒星により、同組は再び混戦模様となった。米スポーツ専門局「ESPN」電子版や他の米主要メディアも「世紀の番狂わせ」「1次ラウンド敗退危機」などと大きく報じ、衝撃が広がっている。

 イタリアはマイケル・ローレンゼン投手(34=ロッキーズ)の4回2/3無失点の好投を軸に3本塁打で主導権を握り、一時は8―0と大きくリード。米国は終盤に追い上げたものの、反撃はあと一歩届かなかった。

 この結果、イタリアは3勝0敗、米国は3勝1敗となった。準々決勝進出の行方は米国時間11日(日本時間12日)に行われる、2勝1敗のメキシコとイタリアの試合に委ねられた。イタリアが勝てば米国は突破が決まるが、メキシコが勝って3チームが3勝1敗で並べば、失点数を守備アウト数で割るタイブレークで順位が決まる。スター軍団をそろえながら、自力で決着をつけられなかった代償はあまりにも大きい。

 さらに後味の悪さを残したのが、マーク・デローサ監督(51)の「失言」だ。カナダのスポーツメディア「スポーツネット」によれば同監督は試合前にMLBネットワークのインタビューで「われわれは準々決勝への切符を手に入れたが、この試合に勝ちたい」と口にし、すでに準々決勝進出を決めたかのような発言をしていた。だが実際には突破は未確定。イタリアに恥辱の敗戦後、本人は「私は言い間違えた。計算を完全に読み間違えた」と認め、謝罪に追い込まれた。大会ルールの複雑さが背景にあったとはいえ、優勝を自負する米国代表の指揮官としては軽率と言われても仕方がない。

 敗れた事実だけでも重い。そこへ指揮官の誤認まで重なった。優勝候補の筆頭とも目されている米国はイタリアに黒星を喫したことで、単なる1敗以上のダメージを負ったと言える。最有力候補の看板は揺らぎ、B組の主役は一転して「他力本願」の立場へと追い込まれた。準々決勝行きをかけた計算は、もう自分たちのバットでも腕でも完結しない。まさに痛恨の番狂わせだった。