〝Gのエース〟は開幕までに本来の姿を取り戻せるか――。巨人の戸郷翔征投手(25)は2月14日から始まった沖縄・那覇キャンプで、投球フォームを2、3年前の形に戻す決断を下した。

 今季初実戦は同28日、セルラースタジアム那覇で行われた韓国球団・サムスンとの練習試合。先発して1回を無安打無失点、1奪三振と上々の立ち上がりを見せた。ただ、右腕は現状に満足していない。「開幕までそんなに日もない。フォームの修正はまだ必要だと思います」と言い切り、開幕先発ローテ入りへ、さらにギアを上げる構えだ。

 昨季は2年連続で開幕投手を任された一方、成績が上向かず2度の二軍降格も経験。防御率4・14で8勝9敗と伸び悩み、4年連続の2桁勝利を逃した。エースとして背負ってきた重みが、投球の迷いにもつながったのか。

 では〝復活の処方箋〟はどこにあるのか。投手出身の球団OBは、ブルペンでの投球を踏まえた上でこう語る。

「見ていて思うのは、戸郷はあれこれ考えすぎているところがある。投手は体の使い方を頭で組み立てるより、投げている最中に気づくことも多い。投球中の〝一瞬のひらめき〟を大事にしてほしい」

 単に球数を増やせ、という話ではない。ブルペンでは意図的にテンポを上げるなどして、「考える余白をつくらない」投げ込みに近い形で感覚を探る。責任感が強く無意識に思考が先行しやすいタイプだからこそ、前出OBは「投げ込む中で生まれるひらめき」が〝新生戸郷〟の引き金になるとみる。

 2年ぶりのリーグ優勝、そして14年ぶりの日本一奪還を狙う巨人にとって、戸郷の完全復活が今季の重要ポイントであることは揺るがない。今月のオープン戦は開幕まで、13試合が予定されている。開幕までの限られた時間で、エースはどこまで状態を引き上げられるか。