ロンドン警視庁は23日、児童性愛者の大富豪ジェフリー・エプスタイン元被告に政府の機密情報を漏らしたとして、公職不正行為の疑いで、与党労働党重鎮で前駐米大使のピーター・マンデルソン容疑者(72)を逮捕した。英紙サンが23日、報じた。
かつてエプスタイン氏の自宅で下着姿を撮影された写真が報じられていたマンデルソン容疑者は、ロンドン北部カムデンの自宅から、ロンドン警視庁特別捜査チームの警官に付き添われて連行され、その後取り調べのため警察署へ移送された。
しかし、ロンドンとウィルトシャーの自宅が6日に家宅捜索されてから17日も経って逮捕された理由について疑問の声が上がった。
政府は22日、マンデルソン容疑者の米国大使任命の背景文書を3月初旬にも公開すると約束していたが、23日のマンデルソン容疑者の逮捕により、そのスケジュールは不透明となった。
今回の逮捕は、米司法省が1月30日に「エプスタイン・ファイル」の新たな部分を公開したことを受けたものだ。ファイルにより、マンデルソン容疑者がゴードン・ブラウン政権下(2008~2010年)でビジネス担当大臣を務めていた当時、エプスタイン氏に機密情報を渡したとの疑惑が浮上している。
新たに公開されたエプスタイン・ファイルの資料には、マンデルソン容疑者がビジネス担当大臣在任中、エプスタイン氏に情報を渡しているように見える内容が含まれている。公開されたメールでは、差し迫ったユーロ圏救済策についてエプスタイン氏に情報を与えているように見える。
さらに、エプスタイン氏がマンデルソン容疑者に5万5000ポンド、パートナーのレイナルド・アヴィラ・ダ・シルヴァ氏に1万ポンドを送金したことも示唆されている。
エプスタイン・ファイルには、エプスタイン氏のアパートで下着姿のマンデルソン容疑者の写真や、2人がボート上で一緒に写る写真も含まれていた。
ロンドン警視庁は「警官は72歳の男を公職不正行為の疑いで逮捕した。2月23日月曜日、カムデンの住所で逮捕し、ロンドンの警察署へ連行して事情聴取を行っている。これはウィルトシャーおよびカムデンの2か所での捜索令状執行に続くものである」と述べた。
しかし、元警視庁警視長バリー・フィリップス氏は今回の逮捕について「政府がマンデルソンの米国大使任命に関する情報公開を語っていたかと思えば、すぐに警察が彼を逮捕している。警察は家宅捜索時に彼を拘束し、注意喚起付きで事情聴取した上で、アンドルー元王子の場合のように捜査中のまま釈放することもできたはずだ。家宅捜索後に何が起きて警視庁が方針を変え、逮捕に踏み切ったのか疑問だ」と指摘する。
この逮捕はまた、スターマー首相への圧力を強めている。2019年に性的人身売買罪で公判待ち中にニューヨークの拘置所で自殺したエプスタイン氏とマンデルソン容疑者の関係が知られていたにもかかわらず、スターマー氏はマンデルソン容疑者を米国大使に任命したことで批判を浴びていた。
保守党のケミ・ベーデノック党首は「これはスターマー政権の決定的瞬間だ。彼が任命した人物が逮捕される光景は、今後何年も記憶に残るだろう」と話している。












