ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子フリー(13日=日本時間14日、ミラノ・アイススケートアリーナ)で、世界選手権2連覇中の絶対王者イリア・マリニン(米国)が凡ミスを連発してフリー15位、総合8位と歴史的惨敗を喫したことを受けて、米国で五輪の放映権を持つ「NBC」が敗因を作ったとして猛批判を浴びている。

 五輪史上に残るまさかの大失速に衝撃が広がる中、非難の的となっているのがNBCだ。

 米誌「ニューズウィーク」は「マリニンはオリンピックのプレッシャーは耐えられないほど大きかったと認めた」と指摘した上で「マリニンがプレッシャーについて語った一方で、ファンはマリニンをほぼ無敵の存在として描写したNBCを最終的な責任追及の標的にしている。彼らは、フィギュアスケートのネイサン・チェンと体操のシモーネ・バイルズの報道を、NBCの例として挙げている」と伝えた。

演技を終え憔悴するマリニン(ロイター)
演技を終え憔悴するマリニン(ロイター)

 同誌はSNS上の声を紹介。「2018年のネイサン・チェン、21年のシモーネ・バイルズ、そして今度は26年のイリア・マリニン。NBCはアスリートたちを無敵だと決めつけるのをやめろ」との投稿をピックアップした。

「ネイサン、シモーネ、そして今度はイリア。1人の人物を全番組のスターにすると、その人に多大な精神的プレッシャーを与え、失敗を招くことになるということをNBCはいつ学ぶのだろうか」との意見も寄せられているという。

 他にも「NBCはシモーネから学ぶべきだった。選手にプレッシャーをかけすぎないように。それに、すぐにインタビューを受けるなんて…」と疑問を呈す声や、「東京五輪のバイルズの後、メディアはアスリートに過大なプレッシャーをかけることについて教訓を学んだはずだ。NBCは文字通り、バイルズをオリンピックの顔に仕立て上げた。それに、競技直前のアスリートに誰がインタビューするんだ?」とNBCの報道姿勢を追及する声も上がっている。

 マリニン惨敗の〝謎〟については、ロシアフィギュアスケート界の〝皇帝〟エフゲニー・プルシェンコ氏も「メディアからの注目」を要因の一つに挙げており、地元米国で五輪報道の中心となるNBCに批判の矛先が向かっているようだ。