春季キャンプを前に、パイレーツの「残り物課題」が浮き彫りになっている。最大の穴は三塁だ。守備で評価されるジャレッド・トリオロ内野手(28)を据える案はあっても、打線の厚みという意味で決定打にはどうしても欠ける。
そんな〝穴〟を米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」がクローズアップし、波紋を広げている。発端は地元ラジオ番組「93.7 The Fan」の名物司会者アンドリュー・フィリッポニ氏がXで「ニック・カステラノスを獲れ」と訴え、しかも「三塁で使え」と示唆したこと。これを前出の「ON SI」は「最もバカげた見解」と断じた。その理由は単純明快だ。
ニック・カステラノス外野手(35=前フィリーズ)は2017年以降、三塁を実戦で守っておらず守備指標でも近年はマイナスが目立つ。昨季ライトでOAA(平均以上のアウト数)が「―12」、打撃もwRC+90と「守備難をバットで帳消しできる水準ではない」というわけだ。
さらに話をややこしくするのが「クラブハウスの空気」だ。フィリーズは12日(日本時間13日)にトレードを模索したものの不成立の末、今季が5年契約最後となっていたカステラノスをリリース。昨季の起用を巡って指揮官のロブ・トムソン監督(62)と衝突した件に加え、試合中にダグアウトへビールを持ち込んだとカステラノス本人が明かした〝騒動〟も蒸し返され「問題児」扱いされている。年俸2000万ドル(約30億6600万円)が残る事情も含め、周辺がザワついたまま市場に放たれた格好だ。
要するにパイレーツが本当に埋めたいのは「三塁の穴」であって、「話題の名前」ではない。前出の「ON SI」は代替案としてアイザック・パレデス内野手(26=アストロズ)、ブレット・ベイティ内野手(26=メッツ)、マーク・ビエントス(26=メッツ)らのトレード実現の可能性に触れつつ、たとえ補強が難航してもカステラノスを獲得し三塁で起用する流れは現実的ではないと、冷ややかなトーンで結論づけている。
今オフ、パイレーツは確かに戦力を積んできた。しかしながら最後のピースを「突飛な当て物」で埋めにいけば、上向きかけた流れも一気に崩れかねない。MLBの補強鉄則として、穴埋めは埋め方を間違えると〝穴が増える〟。果たしてピッツバーグは「三塁問題」の解決策としてどのような判断を下すのか。












