3年連続100敗以上の低迷球団は、日本のベテラン右腕獲得により「道」が開けるのか。ロッキーズは10日(日本時間11日)、オリオールズからFAとなっていた菅野智之投手(36)と契約したと発表した。複数の米メディアによれば契約内容は1年510万ドル(約7億9000万円)にインセンティブが加わるという。
同球団は4年連続で地区最下位に沈み、2023年以降から昨季までそれぞれ103、101、119敗を喫するなど低迷中。標高1マイル(約1600メートル)地点にある本拠地クアーズ・フィールドも高地ゆえに「打者天国」と称されており、管野にとっては難関となるかもしれない。
その一方、ロッキーズは菅野獲得に伴う形で「席替え」も断行。同球団は満杯となっていたロースター40人枠を空けるため、7年総額1億8200万ドル(約280億円)の大型契約を締結中のクリス・ブライアント外野手(34)を60日間の負傷者リスト(IL)入りさせた。
ブライアントは腰椎の変性疾患を抱え、昨季は11試合止まり。痛みを断つための焼灼(しょうしゃく=アブレーション)などさまざまなリハビリを行ったものの回復が遅れていることから、米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」によれば「少なくとも開幕から57試合の欠場になる」という。
ブライアントはロッキーズでの4年で全648戦中、わずか170試合出場。打率2割4分4厘、17本塁打、OPS.695前後という数字も、年平均2600万ドル(約40億円)という契約価値と噛み合わない。だからこそ大物ベテラン野手・ブライアントの60日間IL入りは、ロッキーズが抱え込む「不良債権への警告灯」とも評せるだろう。
それでもロッキーズはなぜ今、野手と投手の違いはあれども単年契約ながらベテラン日本人投手との510万ドル契約に踏み切ったのか。MLB公式サイトは、その狙いについて「先発ローテの経験不足の穴埋め」と指摘している。
ロレンゼン、フリーランド、フェルトナーに続く枠で、菅野の役割は同サイト曰く「クアーズフィールドで試合を壊さないこと」。球団運営部長のポール・デポデスタ氏(53)は「管野の制球と6球種の引き出し、そして勝ち癖を評価している」と言い切っている。球速で押すのではなく配球でズラし、四球を減らし、守備に時間を与えるタイプ――。管野という格好の手本が加入することにより、若手中心の投手陣に〝崩れない型〟を持ち込む意図が透ける。
チーム再建を目指す新任のジョシュ・バーンズGM(55)が、最初に求めているメッセージは「派手さ」ではなく「安定」だ。菅野加入でチームに確変を起こし、不良債権化しているブライアントの残り契約をどう着地させるか。どん底から這い上がろうとしているロッキーズの2026年シーズンはMLB関係者の間でも、さまざまな意味で注目されている。












