【イタリア・ミラノ10日(日本時間11日)発】ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)が行われ、鍵山優真(22=オリエンタルバイオ・中京大)は103・07点で2位発進だった。パリ五輪の体操男子3冠・岡慎之助(22=徳洲会)が取材に応じ、神奈川・星槎国際高横浜時代をともに過ごした同級生の〝すごさ〟をトップ選手の視点から力説。2大会連続のメダルを狙うエースに期待を寄せている。

 大舞台を全力で楽しんだ。最終滑走で登場した鍵山は「みんなが楽しい気持ちでスキップして帰ってもらえるように」。世界最高レベルのスピン、ステップで会場を盛り上げた。ジャンプも4回転―3回転の連続トーループ、4回転サルコーを成功。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は着氷が乱れたが、エースらしい演技を披露した。

 その鍵山と岡は学校で一緒に過ごすことが多かった。アニメなど競技以外の話で盛り上がったといい、岡は「オンとオフは全然雰囲気が違う印象ですね。休み時間には何か絵を描いていたり、ゲームをしていたかな。オンとオフを切り分けられるのはすごいいいことだし、僕も結構練習終わったらすぐ切り替えるタイプなので」と共通点を告白。絵の腕前はかなりのものだったと明かした。

 岡は授業の一環で鍵山のジャンプを生で見たことがある。「はっきりは覚えていないけど、その時に初めて挑戦する4回転ジャンプがあって、学校の生徒がたくさんいる中でも成功させたのが印象的だった」と勝負強さを肌で実感。「無音でシュ、シュみたいな。あんな感じなんだと思った」と華麗なパフォーマンスに心をつかまれた。

 体操とフィギュアスケートはともに採点競技。形は違えど、体をひねる動作など似た要素がある。だからこそ「転んだりしたら減点なのに(ジャンプを跳ぶときに)3回も4回もひねるじゃないですか。たぶん体操より難しいんじゃないかな。(ジャンプは)片足で着地しますもんね。自分だったら絶対できないし、ひねりの軸を保てている技術もすごい」と目を丸くした。

 他競技の五輪王者も絶賛する鍵山は、13日(日本時間14日)のフリーで首位のイリア・マリニン(米国)を追いかける。逆転への道のりは甘いものではない。ただ、岡は鍵山の可能性を信じている。

「金メダルを取れる素質を持っていると思う。誰が見てもきれいだし、キレがあるというか、なおかつ表現力もあると思う。何を武器に戦っているかは具体的にわからないけど、自分の武器で戦って、金メダルを取ってほしい」とエールを送った。

 鍵山とマリニンは5・09点差。最終決戦で鍵山は4回転フリップを解禁するものの、結果よりも自らの演技に全集中の構え。「団体と同様、金メダルは自分の中でオプションというか、結果は後からついてくるもの。とにかく悔いのないような演技をすることが一番の目標」。会心の演技で金メダルの糸をたぐり寄せることはできるか。