ミラノ・コルティナ五輪フィギュアスケート団体で米国の金メダル獲得に貢献した男子世界王者のイリア・マリニンの現状について、ゆかりのあるロシアから心配の声が上がっている。

 マリニンは男子ショートプログラム(SP)で、トリプルアクセル(3回転半)で着氷が乱れ、その後の4回転ルッツでも回転不足を取られるなど不安定な演技。98・00点で鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)の108・67点に次ぐ2位だった。フリーでは200・03点を出し1位となったが、ジャンプの難度を下げたり着氷が乱れるなど、本調子とはいえなかった。

 鉄壁の王者に見えたまさかの展開に、ゆかりのあるロシアでも注目されている。ロシアメディア「KPスポーツ」によると、ロシア・フィギュアスケート代表のヘッドコーチ、エレナ・チャイコフスカヤ氏がマリニンについて言及。「マリニンにはがっかりしたよ。彼はアイドルであり、天才であり、フィギュアスケート界をひっくり返した人物なのに、SPで突然調子を崩した。フリーはなんとか滑りきったけど、彼のレベルには達してなかった。彼が得意とする最高難度の要素はなかった」と、本来の力を発揮していないスターの演技を評した。

 さらに「彼は個人戦に向けて準備している(そしてそれは正しい)と思うが、その勢いが持続するかどうかはわからない。これまでの2つのプログラムでは、勢いは見られなかった。それは非常に残念だ。なぜなら、彼は間違いなく、議論の余地なく、疑いの余地なく、最高だからだ。彼はフィギュアスケートを変え、新しい技術的な可能性を編み出し、まるで氷の上で生まれたかのように滑る。これは男子シングルスケートの流れそのものを変え、可能性を再定義するものだ。とにかく、彼が心理的に崩れてしまうのは残念だ…誰が彼に何を指示しているのかはわからないが、彼は100%勝たなければならない」と、メンタル面での不安定さを憂いた。

 個人戦でどう立て直してくるのか。